有効求人倍率6.55倍。──「人が採れない業界」は、なぜ新規参入の狙い目なのか。《部長/MDコラム》
2026.08.28
有効求人倍率6.55倍。──「人が採れない業界」は、
なぜ新規参入の狙い目なのか。《部長/MDコラム》
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
HRビジネスコンサルティング部
マネージング・ディレクター 大村 在龍
総論はここまで。今日は、たった一つの事業に絞って話します。
お世話になっております。船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングの大村です。
前回のコラムでは、少し厳しい話をしました。
「新規事業で成功できるのは、ひと握り。これは事実です。だからこそ、失敗する会社の共通点を知り、それを避ける設計をすることが大切です」——と。
今日は、その続きです。
前回、多くの方から「では、具体的にどうすればいいのか」というご反応をいただきました。
そこで今回は、これまでの総論から一歩踏み込み、たった一つの事業に絞ってお話しします。
その事業とは、交通誘導・イベント警備業です。
なぜ数ある選択肢の中から、あえてこの事業なのか。その理由を、公的データとともにお伝えします。
約5分。今回もよろしくお願いいたします。
■まず、この数字を見てください。「6.55倍」。
厚生労働省の統計によると、警備員を含む「保安職業従事者」の有効求人倍率は、6.55倍(2025年)。全職業の平均が1.12倍であることを考えると、その異常さがわかります。
(出典:経済産業省「安全・安心を守る警備業の課題とは?」/厚生労働省統計より)
6.55倍とは、何を意味するのか。
求人が6件あるのに対して、応募者はたった1人しかいない。つまり、圧倒的に「人が足りていない」ということです。
——ここで、多くの経営者はこう思われるはずです。
「人が採れない業界なんて、参入したら苦労するだけではないか」
ごもっともです。
しかし、少しだけ視点を変えてみてください。
有効求人倍率が高いということは、「仕事が有り余っている」ということでもあります。
普通のビジネスでは、参入後にまず「顧客をどう獲得するか」で苦労します。しかし警備業では、仕事は最初から存在している。足りないのは、それを担う「人」だけなのです。
もしあなたの会社に「人を集める力」があるなら
——この需給ギャップは、そのままビジネスチャンスに変わります。
■市場データが示す、警備業界の「構造的な空白」
もう少し、業界の実態を見てみましょう。
警察庁「令和6年における警備業の概況」によれば、警備業界の売上高は3兆4,477億円。前年の3兆3,059億円から、着実に伸びています。警備業者数も1万811社と、過去最多を更新しました。
一方で、業界の内側には、見過ごせない構造があります。
警備員の60歳以上が占める割合は、47%。警備員数19人以下の小規模事業者が、全体の57%。
つまり——
需要は伸び続けている。しかし、担い手は高齢化し、事業者の大半は小規模。
この構造が意味することは、明快です。
高齢の警備員が引退していく一方で、需要は減らない。小規模事業者は後継者不足や人材難で撤退していく。その結果、全国各地に「対応しきれない仕事」=空白地帯が生まれ続けている。
Vol.3でご紹介した、造園会社が初年度で年商1億円を達成できた理由も、広告代理店が人口10万人の商圏で年商1.3億円を実現できた理由も、とび工事の会社が人口4万人の町で月商1,000万円に到達できた理由も——
すべて、この「構造的な空白」があったからです。
彼らが特別だったのではありません。市場の構造が、そうさせたのです。
■前回お伝えした「失敗の共通点」に、当てはめてみる。
前回のコラムで、新規事業で失敗する会社の共通点をお伝えしました。「畑違いへの参入」「準備不足」「撤退ライン未設定」「資金の息切れ」「伴走者の不在」——の5つです。
では、交通誘導警備業は、これらをどう回避できるのか。一つずつ、正直に検証します。
【1】収益構造が、驚くほど単純明快
警備業の売上は、たった一つの式で決まります。
売上=警備員数×稼働日数×単価
これだけです。
事業計画が立てやすく、KPIが明確。何が伸びていて、何が足りないかが、毎月はっきり見える。「気づいたら赤字だった」という、新規事業でよくある事態が起こりにくい構造です。
【2】店舗なし、在庫なし、大型設備なし
警備業の商品は「人の配置」です。モノを仕入れる必要がないため、売れ残りも廃棄ロスも発生しません。
だから、初期投資は50万円から始められます。前回お伝えした失敗の落とし穴、「初期投資が大きすぎる」「固定費が重すぎる」を、構造的に回避できます。
万が一うまくいかなくても、傷が浅い。本業を傾けるほどのリスクにはなりません。
【3】継続案件が積み上がる、ストック型に近い収益
工事現場の警備は、単発ではなく継続的に発生します。一度契約を獲得すれば、毎月安定した売上が積み上がっていく。
季節変動や案件単位で売上が上下する事業をお持ちの会社にとって、この安定収益の柱は、経営そのものを支える存在になります。
【4】ロイヤリティ0円。すべてが自社の資産になる
ここは、特に強調させてください。
新規事業を検討する際、FC加盟や代理店を候補に挙げる経営者は少なくありません。しかし、多くの方が最後に躊躇するのが、ロイヤリティの重さです。
売上が伸びても、その一部は本部に流れ続ける。ノウハウも本部のもので、自社には蓄積されない。本部の方針が変われば、自社の事業も左右される。
私たちがご支援する警備業の立ち上げは、FC加盟ではありません。
ロイヤリティは0円。自社ブランドで立ち上げ、ノウハウも自社に残ります。
利益は全額自社のもの。経営判断も自由。そして何より、築いた事業そのものが、会社の資産として残ります。
【5】そして——人手不足が「強み」に変わる
これが、このコラムシリーズ全体を貫くテーマとつながる部分です。
Vol.1で、私はこう書きました。
「仲間を増やすために、新規事業に参入する」
警備業は、まさにこの発想が最も活きる事業です。
多くの業種では、人手不足は「リスク」です。しかし警備業では、採用力がそのまま売上に直結します。
しかも、警備員として活躍できる人材の幅は非常に広い。シニア層、未経験者、他業種で採用に至らなかった方——
一般的な採用市場では見過ごされがちな方々が、警備の現場では貴重な戦力になります。
「人が採れない」と嘆く時代に、「人を採れる会社」が圧倒的に強くなる。警備業は、その構造を最も分かりやすく体現している事業なのです。
■ただし——正直に申し上げます。
ここまで読んで、期待を持っていただけたなら嬉しく思います。
しかし、前回の「失敗の共通点」の話をした手前、誠実にお伝えしなければならないことがあります。
警備業は、どの会社にも無条件でおすすめできる事業ではありません。
参入の可否と成否は、次の要素によって大きく変わります。
-
商圏:その地域に、どれだけの需要と競合が存在するか
-
採用力:警備員を安定的に確保できる体制があるか
-
営業先:建設会社などへの接点や、開拓の見込みがあるか
-
人員体制:事業を任せられる責任者を置けるか
-
投資可能額:立ち上げ期を支える資金的余力があるか
これらの条件によって、立ち上げ方そのものが変わります。同じ「警備業への参入」でも、貴社にとっての最適解は、他社とは違うということです。
だからこそ、「やるべきかどうか」を、勢いではなく数字で判断していただきたい。
これが、私たちの一貫した考え方です。
■まずは、貴社が警備業に参入できるか。数字で診断しませんか?
そこで今回は、詳しい情報をまとめた専用ページをご用意しました。
警備業の収益構造、参入をおすすめする理由、そして実際に異業種から参入して成果を出した企業の事例まで、このコラムでは書ききれなかった内容を、詳しくご覧いただけます。
▼交通誘導警備業への新規参入について(特設ページ)
https://www.hr-force.co.jp/security-solution
◆無料個別相談のご案内
ページ内から、無料の個別相談にお申し込みいただけます。
貴社の商圏・人員体制・投資可能額をもとに、専門コンサルタントが「参入の可能性があるか」を整理します。
「やるべき」と背中を押すためではありません。やるべきでないなら、その理由もはっきりお伝えします。そのための診断です。
◆実務資料3点セットを無料でお渡ししています
「まだ相談する段階ではないが、中身を知りたい」
——そんな方のために、私たちが実際の立ち上げ支援で使用している実務資料を無料で公開しています。
-
営業マニュアル(営業先リスト作成から案件管理までの実践手順)
-
テレアポ営業トークスクリプト(建設会社への第一声から訪問打診まで)
-
営業提案資料テンプレート(発注企業へ提示する提案書のひな型)
いずれも、実際の現場で使われているものです。警備業の営業が、具体的にどう進むのかを掴んでいただけます。
▼実務資料3点セット(無料ダウンロード)https://www.hc.funaisoken.co.jp/blogs/download/3set_tools_for_starting_security_business
今回は、これまでの総論から一歩踏み込み、「交通誘導・イベント警備業」という一つの選択肢を、正面から取り上げました。
有効求人倍率6.55倍。売上高3兆4,477億円。警備員の47%が60歳以上。
この数字が示しているのは、「人が足りない業界」ではなく、「人を集められる会社にとっての、圧倒的な空白」です。
Vol.1でお伝えした「仲間を増やすために新規事業に参入する」という考え方が、最も素直に成立する事業
——それが、警備業だと私は考えています。
貴社にとって、この選択肢が合うのかどうか。まずはそこから、一緒に確かめさせてください。
次回のコラムも、どうぞお楽しみに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
人材採用・募集活性化・1on1・人材定着・離職防止・人的資本経営などに関する無料相談とお問い合わせ
船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングでは、人材採用・募集活性化・1on1・人材定着・離職防止・人的資本経営・新規事業参入などに関する無料相談やお問い合わせを受付しております。この機会にぜひ下記詳細をご確認の上、お申し込みください。
<詳細・お申し込みはこちらから>
⇒ https://www.hc.funaisoken.co.jp/pages/consultation
<人材定着コンサルティング・1on1コンサルティング詳細・お申し込みはこちら>
⇒ https://www.hr-force.co.jp/1on1-consulting
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