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【ディレクターコラム】「売上さえ上げれば、何をしてもいい」という空気が組織を壊す。

2026.07.22

 

【ディレクターコラム】「売上さえ上げれば、何をしてもいい」

という空気が組織を壊す。

 

株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング

事業推進部 新規事業企画推進グループ

ディレクター 南原 繁

 

経営者の皆様、人事責任者(カルチャー責任者)の皆様、いつもお疲れ様です。

 

前回は、「P・Mを追求し、Vを実現するための日常の判断軸」としてのバリューの重要性をお伝えしました。そして最後に、こう問いかけました。

 

「なぜ、どんなに仕事ができる社員でも、自社の価値観(カルチャー)に合わなければ、入社や昇格させては絶対にいけないのか?」

 

今回は、組織が10~30億(社員数50~100名)からその先へスケールできるかどうかの最大の分岐点となる、「理念・バリュー連動型の評価制度」について深く掘り下げていきます。

 

つかみどころのない「カルチャー」の正体

よく「これからはカルチャー経営だ」「組織カルチャーが大事だ」と言われます。しかし、カルチャーという言葉はどこか抽象的で、つかみどころのないイメージが湧きがちです。

 

目に見えないカルチャーとは、一体どこに宿るのか? その答えこそが、「バリュー」です。

 

カルチャーとは、社内の雰囲気のような曖昧なものではありません。「社員一人一人が、日々どんな基準で判断し、どう行動しているか」という“具体的な振る舞いの積み重ね”であり、それらを言語化し、枠組みとして込めたものこそが「バリュー(行動規範)」なのです。

 

つまり、バリューを評価するということ。それは、会社の命とも言える「組織カルチャー」を維持し、発展させるための唯一の手段にほかなりません。

 

「数字はいいが、カルチャー(バリュー)を壊すエース」の放置という罠

売上10億〜30億のフェーズでは、どうしても「目先の売上を作ってくれる人」を優遇しがちになります。しかし、組織が拡大する中で、必ず次のような問題が発生します。

 

・ 個人の売上数字はダントツでトップ。

・ しかし、会社のバリューを無視し、チームワークを乱し、部下の可能性を閉じる。

・ 周りの社員は不満を持っているが、社長も「あいつは売上を上げているから……」と強く注意できない。

 

もし貴社にこのような状態が1ミリでもあるなら、非常に危険なサインです。


なぜなら、「どんなに仕事ができる社員でも、自社のバリュー(カルチャー)に合わなければ、入社や昇格させては絶対に投資対効果が合わない」からです。

 

どんなに高い業績を上げる優秀な人材であっても、バリューを軽視する人間をリーダーに昇格させてしまうと、その下についた従順で優秀な若手たちが「この会社にはついていけない」と次々に辞めていきます。

 

結果として、「1人のわがままなエースの売上」と引き換えに、「未来の幹部候補10人の離職」という、会社にとって致命的な大きな損失を被ることになるのです。

 

成長企業が実践する「2軸評価」の鉄則

評価制度とは、経営者から社員への「最も強力なメッセージ(会社の意志)」です。

 

経営者の「評価」がその会社の「社風(カルチャー)」をつくるのです。

 

スケールしても組織が乱れない先進企業は、一貫して「業績(成果)」と「バリュー体現度(カルチャーへの適合度)」の2軸で社員を厳格に評価しています。

 

1.成果(高)×バリュー(高): 迷わず「昇格・昇給」。自社の未来を担うリーダー。

 

2.成果(低)×バリュー(高):「育成・配置転換」。バリュー(カルチャー)は合っているため、打席を変えれば化ける可能性が高い。

 

3.成果(高)×バリュー(低):「イエローカード(昇格停止)」。 ここを厳格に処分できるかどうかが、経営者の覚悟の見せ所です。

 

どれだけ数字を出していても、バリューに反する行動があれば、絶対に昇格させてはいけません。むしろ、「我が社はカルチャーを壊す人間は評価しない」という姿勢を全社に示す必要があります。

 

採用時も同様です。どんなに輝かしい経歴を持っていても、自社の「天然のPMVV」というストーリーに共鳴せず、バリューを体現できない人間は、採用すべきではありません。

 

今回の問いかけ

貴社の評価制度は、実際には「数字(成果)」だけで決まっていませんか? つかみどころのないカルチャーを「バリュー」という明確な基準に落とし込み、それを守る覚悟が、今の皆様にありますか?

 

次回からは、こうしてカルチャーが整った組織に、さらに優秀な人材を呼び込むための「採用戦略の再定義(EVPの構築)」へと入っていきます。

 

理念を「評価」という仕組みで組織の骨肉に。 次回もどうぞお楽しみに。

 

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南原 繁

事業推進部 新規事業企画推進グループ ディレクター

1993年4月、新卒で船井総合研究所に入社する。現在、建築不動産業を中心にメーカー、建材卸業、販売店を含めて年商1億円の地元密着企業から2兆円超の超大手企業のクライアント先企業を担当、「現場主義」、「事実主義」、「事例主義」の船井流経営のノウハウのスキル(集客、販促、営業力アップ、店舗開発、組織力向上、幹部育成」)を高め続けている。特に住宅リフォーム事業関連のコンサルティングでは事業立ち上げを含めて累計100社を超える実績をあげている。現場を重視したコンサルティングに高い評価をもらっている。2026年より現職。

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