新規事業で「失敗する会社」の共通点。成功事例の、その裏側の話。《部長/MDコラム》
2026.07.30
新規事業で「失敗する会社」の共通点。
成功事例の、その裏側の話。《部長/MDコラム》
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
HRビジネスコンサルティング部
マネージング・ディレクター 大村 在龍
過去4回「やろう」と言ってきた私が、今日はあえて逆の話をします。
お世話になっております。船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングの大村です。
私のコラムも、5回目を迎えました。毎月お読みくださっている皆様に、心から感謝申し上げます。
さて、これまでの4回で、私は一貫して「新規事業に踏み出しましょう」とお伝えしてきました。
Vol.1:人手不足は構造問題。仲間を増やすために新規事業に参入しよう。
Vol.2:その中でも「人的新規事業」が最も手堅い。市場は10兆円超。
Vol.3:造園会社が初年度年商1億円。実際にやった会社は、成果を出している。
Vol.4:2027年が分水嶺。動くなら、今。
——ここまで、背中を押し続けてきました。
しかし今日は、あえて、まったく逆の話をします。
「新規事業で、失敗する会社の話」です。
なぜ、5回目にしてこんな話をするのか。
理由は単純です。成功事例の裏側には、必ず失敗した会社も存在するからです。そして、その現実をお伝えしないまま「やりましょう」と言い続けるのは、コンサルタントとして誠実ではないと考えたからです。
約5分。今日は、少しだけ耳の痛い話にお付き合いください。
■まず、正直な数字をお見せします。
新規事業について語るとき、私たちはつい成功事例に目を奪われがちです。
しかし、データが示す現実は、もっと厳しいものです。
PwCコンサルティングの調査*によれば、新規事業で投資回収にまで至った「成功企業」は全体の約2割にとどまり、主力事業にまで育った企業は1割に満たないのが実態です。
【出典】PwC Japan「新規事業開発の取り組みに関する実態調査2025」
つまり、大半の新規事業は、「成功」と呼べる段階に到達できていない——。
これが、新規事業の「本当の姿」です。
——では、ここで質問です。
Vol.3でご紹介した、造園会社や広告代理店や、とび工事の会社。彼らは、なぜこの「大半の側」ではなく、「成功できたひと握り」に入れたのでしょうか?
才能でしょうか? 運でしょうか? 資金力でしょうか?
いいえ。違います。
答えは、「失敗する会社がやってしまう共通のパターンを、避けていたから」です。
■新規事業で失敗する会社の「5つの共通点」
数多くの新規事業の現場を見てきた経験と、各種調査データから見えてくる「失敗する会社の共通点」を、5つに整理してお伝えします。
【共通点1】まったく畑違いの分野に、勢いだけで飛び込む
新規事業の失敗要因として最も多いのが、「自社にノウハウのない分野への、無謀な参入」です。既存事業の経験や実績が、新しい分野でそのまま通用するとは限りません。飲食店が突然ITベンチャーを立ち上げても、うまくいく道理がないのです。
【共通点2】「自社なら大丈夫」という思い込みで、準備を怠る
「うちは既存事業で成功してきたから、新規事業もなんとかなるだろう」——この根拠なき自信が、市場調査や競合分析といった地味な準備を飛ばさせます。結果、「参入してみたら、そもそも需要がなかった」という最悪の事態を招きます。
【共通点3】撤退ラインを、最初に決めていない
新規事業でいちばん難しいのは、始めることではなく「いつ見切りをつけるか」です。撤退基準を事前に決めていないと、ずるずると赤字を垂れ流し、気づけば本業まで傾く——。この「損切りできない構造」が、致命傷になります。
【共通点4】資金計画が甘く、黒字化する前に息切れする
新規事業が安定した利益を生むまでには、必ず時間がかかります。その助走期間を支える資金計画が甘いと、「あと少しで軌道に乗るはずだった」ところで力尽きます。
【共通点5】専門知識を持つ「伴走者」なしで、独力で突き進む
中小企業には、新規事業開発の知見を持つ人材がほとんどいません。それ自体は当然のことです。問題は、その状態を自覚せず、社内の手探りだけで進めてしまうこと。外部の専門家を「伴走者」として活用するかどうかで、成功確率は大きく変わります。
■——では、「人的新規事業」はどうか?
ここまで読んで、不安になった方もいるかもしれません。「やっぱり新規事業は、成功できるのがひと握りの、狭き門なのか」と。
しかし、ここで顔を上げてください。
私たちが一貫して「人的新規事業」をおすすめしてきた理由が、まさにここにあります。
人的新規事業は、失敗する5つの共通点を、構造的に回避しやすい事業なのです。
もう一度、5つの共通点を、人的新規事業に当てはめてみましょう。
共通点1(畑違いへの参入→既存事業との親和性)
人材紹介も警備も、あなたの会社がすでに「人を採用し、育て、定着させてきた」経験の延長線上にあります。まったくの畑違いではありません。むしろ、自社の業界知識と採用経験が、そのまま最大の武器になります。
共通点2(準備を怠る思い込み→市場可能性大)
人手不足という需要は、データが証明済みです。「そもそも需要がなかった」という失敗が、構造的に起こりにくい領域です。
共通点3(撤退ラインの欠如→予定投資額の事前把握)
人材ビジネスや警備業は、初期投資が小さい(数十万円規模)ビジネスです。仮にうまくいかなくても、傷が浅い。本業を傾けるほどのリスクにはなりにくいのです。
共通点4(資金の息切れ→早期黒字化)
Vol.3でご紹介した通り、最短2〜3ヶ月で黒字化した事例が複数あります。助走期間が短いため、資金が息切れする前に収益化しやすい。
共通点5(伴走者の不在→事業専門コンサルの存在)
これは、私たちのようなパートナー(伴走者)を活用いただくことで解決できます。後発で参入して成果を出した企業の「型」を、そのまま自社の血肉にできます。
つまり——
「新規事業で成功できるのは、ひと握り」。これは事実です。
しかし、「失敗の共通点を避ける設計」をすれば、その成功側に入ることは十分に可能なのです。
そして人的新規事業は、その「避ける設計」が、もともと組み込まれている事業だということです。
■失敗を避けたい方こそ、「学ぶ場」から始めてください。
新規事業で最も危険なのは、勢いだけで走り出すことです。逆に、最も安全なのは、すでに成功した人・失敗を知る人から、先に学んでおくことです。
そこで、失敗を避けたい方にこそおすすめしたい「学びの場」を、いくつかご紹介します。いずれも、実際に新規参入して成果を出した経営者がゲスト登壇し、成功の裏にあった苦労や失敗も含めて、リアルに語られる場です。
◆まずは無料で、警備ビジネスの全体像を知りたい方へ
「2年で100社が参入」した警備ビジネスの全体像を、無料でつかめます。失敗しない参入の第一歩として。
▼イベント・公共警備新規参入セミナー(無料・オンライン)
◆実際に成功した経営者から、生の話を聞きたい方へ
これらのセミナーは、船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングのコンサルタントだけでなく、実際に異業種から参入して成果を出した経営者(ゲスト講師)が登壇します。成功事例の「裏側」まで聞ける貴重な機会です。
対象業種以外の方にご参加いただいても、十分に学びがあり、背中を押してもらえる内容となっております。
▼社員2人で年商1億・営利25%!人材ビジネス参入セミナー
▼流行りものの新規事業より、地域に残る仕事を!イベント・交通誘導ビジネス参入セミナー
▼地方こそブルーオーシャン!「高卒・専門卒」就職応援ビジネス参入セミナー
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◆「自社は失敗しないか」を、まず個別に相談したい方へ
いちばん確実なのは、動き出す前に「自社の場合、どこに失敗リスクがあるか」を専門家と一緒に点検することです。無料の経営相談で、あなたの会社が「成功できる側」に入るための設計を、一緒に描かせてください。
<詳細・お申し込みはこちらから>
⇒ https://www.hc.funaisoken.co.jp/pages/consultation
また、同じ志を持つ経営者と情報交換できる経営勉強会も、引き続き初回無料でご招待しています。他社の成功も失敗も、生きた教材として学べます。
▼人材ビジネス経営研究会 (8月・10月・12月)
▼警備・ビルメンテナンス研究会(8月・11月)
最後に、今回の話をまとめます。
新規事業で成功できるのは、ひと握り。これは、ごまかしようのない事実です。
だからこそ、失敗する会社の共通点を知り、それを避ける設計をすることが何より大切です。
そして、「人的新規事業」は、その失敗パターンを構造的に避けやすい——だからこそ私たちは、これを一貫しておすすめしてきました。
怖いのは、失敗そのものではありません。失敗のパターンを知らないまま、勢いで走り出すことです。
正しく知り、正しく準備すれば、道は開けます。
次回は、また前を向いた話に戻ります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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