【2028卒早期化×人事疲弊】採用成功企業が密かに始めている「逆算型戦略」と「人事組織改革」とは?《部長/MDコラム》
2026.09.04
【2028卒早期化×人事疲弊】採用成功企業が密かに始めている
「逆算型戦略」と「人事組織改革」とは?《部長/MDコラム》
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
採用コンサルティング・ソリューション部
マネージング・ディレクター 滝本 千晶
1. はじめに:2027卒終盤と2028卒着手が重なる「人事の危機」
8月も終わりを迎え、採用前線の現場では大きな切り替えの時期を迎えています。 現在、多くの企業様において「27卒採用の終盤戦(内定辞退防止・フォロー)」と「28卒採用に向けた早期動向(インターンシップ・早期選考準備)」が完全に重なり合っています。
日々、多くの経営者様や採用責任者様とお話しする中で、特に多く寄せられるのが以下のようなお悩みです。
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「27卒のフォローに追われ、28卒の戦略を立てる時間がまったくない」
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「人事担当者がマルチタスクで疲弊しており、新しい打ち出しやコンテンツ開発まで手が回らない」
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「採用活動の歩留まりが改善せず、学生との接点形成に苦戦している」
毎年加速する新卒採用の早期化において、従来通りのやり方や「前年踏襲」のスケジュール感で動いていては、どうしても人事が手いっぱいになり、後手に回ってしまいます。
今回のコラムでは、最近のご支援現場や戦略会議で見えてきた「採用成果を最大化させるための思考法」および「人事の疲弊を防ぎながら組織を強化する新たな打ち手」について、詳しく解説いたします。
2. 今の採用手法は限界?「積み上げ」から「ゴールからの逆算」への切り替え
採用活動を進める際、多くの場合「昨年はこうだったから、今年は○月からナビサイトを解禁して、説明会を○回開催しよう」という「積み上げ型の思考」に陥りがちです。
しかし、学生の動向や就職価値観、競合他社の動きが激しく変化する現代において、積み上げ型の発想では「目標採用人数に届かない」「採用できても自社に合わない」というギャップが生じてしまいます。
今、採用で圧倒的な成果を出している企業が実践しているのは、徹底した「ゴールからの逆算思考」です。
■ 逆算思考で整理すべき3つのステップ
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「どうありたいか?(理想のゴール設定)」 単に「●名採用する」という数的な目標だけでなく、「どんなマインドやスキルを持った人材が入社し、数年後にどう活躍しているか」という組織の理想像(ゴール)を明確にします。
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「そのゴールに到達するために、来期は何をすべきか?」 理想のゴールから逆算して、「どのようなスカウトを打つべきか」「選考フローのどこで体験価値を引き上げるか」「インターンシップで何を伝えるべきか」をブレイクダウンします。
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「何を捨て、何にリソースを集中させるか?」 前年と同じことをやるのではなく、「効果が薄れたイベントへの出展をやめる」「従来の選考ステップを1つ減らす」など、やらないことを決める判断も必要です。
「過去の延長線上」で考えるのを一度やめ、「理想の組織姿」から逆算して今期の打ち手を再構築すること。この思考の切り替えこそが、他社との差別化を生み出す第一歩となります。
3. 単なる作業で終わらせない「即時対応×情報発信量1.5倍」のスピード感
採用活動において、学生の心を引きつけるために欠かせないのが「対応のスピード感」と「提供する情報の質・量」です。
学生は日々、膨大な情報に晒されています。面接や説明会の場での対応速度や情報開示のスピードが遅いと、一瞬で他社の選考に流れてしまいます。
■ 現場で実践されている「臨機応変な高速対応」の例
例えば、説明会や面談の場において、あらかじめ用意したスライドを順番に見せるだけの単調な進行になっていないでしょうか。
優秀な学生を引きつける現場では、以下のようなリアルタイムな連携・情報提供が行われています。
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事前に徹底した情報調査・仮説構築を行う 学生のプロフィールや関心事を事前調査し、「この学生にはどんな打ち出しが響くか」の仮説を立てておきます。
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対話の中で柔軟にコンテンツを変える ヒアリングの過程で学生の興味関心(例:キャリアパス、社風、実際の仕事内容)が分かった瞬間に、その場で最適なスライドや事例資料を画面投影して提示します。
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情報発信量を従来の1.5倍に引き上げる 質問に対する回答だけでなく、自社の強みや働く魅力を多様なアングルから提示することで、短い時間の中でも学生に強い印象を残すことができます。
あらかじめ準備した「型」を持つことは大前提ですが、実際の選考や面談の場では「その場その場での臨機応変な対応を高速で回すこと」が、歩留まり(通過率・内定承諾率)の大幅な改善につながります。
4. 人事の疲弊を防ぐ「AI活用」と業務整理の壁
27卒と28卒の業務が重複し、人事が手いっぱいになっている最大の原因は、「ノンコア業務(定型業務・作業)」に追われ、「コア業務(学生との対話・戦略立案)」に時間を使えていないことです。
ここで不可欠となるのが、「業務整理」と「AIツールの活用」です。
■ AIに任せるべき業務、人が行うべき業務
人事の仕事においても、AIに任せられる領域は急速に広がっています。
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AIに任せるべき領域(ノンコア業務)
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日程調整の自動化
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採用スカウト文面の下案作成
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学生からのQ&A一次対応(チャットボット活用)
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説明会アンケートの集計・傾向分析
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面接記録の要約・データ化
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人が集中すべき領域(コア業務)
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学生の本音を引き出す面談・動機付け
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自社の理念やビジョンの熱量を伝える場の提供
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採用戦略の見直しとゴールからの逆算
「何でも自前で手作業でやる」という状態から脱却し、AIやシステムで代替できる部分は徹底的に効率化する。これにより、人事担当者の精神的・時間的負担を軽減し、学生一人ひとりに対する「熱量の高い関わり」を実現できるようになります。
また、社内だけで業務整理やフロー見直しが難しい場合は、外部の視点を取り入れて選考フローの無駄を削ぎ落とす「業務棚卸し」を行うことも極めて効果的です。
5.人手不足時代を生き抜くために、今経営陣と人事が取り組むべきこと
採用活動の成果は、単に「どんなナビサイトを使うか」「どんなイベントに出るか」といった表面的な手法だけで決まるものではありません。
本質的な成果を出し続けている企業には、共通する姿勢があります。それは、「やった方がいいことなら、どうしたらやれるか?」という思考で経営陣と人事が一体となって取り組んでいる点です。
例えば、以下のような決定は一見ハードルが高く見えるかもしれません。
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競合に負けない初任給のベースアップ(段階的な給与引き上げ)
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年間休日の増加や労働環境の改善
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人的資本経営に沿った評価制度の見直しと連動
しかし、「他社がやっていないから」「予算がないから」と理由をつけて先送りにするのではなく、「理想の採用成果・組織姿を作るために、どうやったら実現できるか?」を考え抜き、実際に舵を切る企業にこそ、優秀な学生や人材が集まっています。
採用活動とは、単に人を集める作業ではなく、「会社の未来をつくる戦略そのもの」です。
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27卒の選考・フォローを丁寧に進めつつ、
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28卒に向けた「逆算型の戦略」を組み立て、
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AI活用や組織配置の見直しによって人事の基盤を整える。
この秋の段階でどれだけ構造的な準備を進められるかが、来期の採用成功、ひいては数年後の企業の成長率を決定づけると言っても過言ではありません。
採用環境が厳しいと言われる現在ですが、見方を変えれば「自社の魅力や構造を見直し、組織として一歩先へ進むための絶好の機会」でもあります。
「うちの会社の採用フローはどう見直すべきか?」 「28卒に向けた逆算戦略をどう立てればいいか?」 「人事の業務整理や人的資本経営の落とし込みについて相談したい」
など、採用や評価、組織づくりに関するお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお声がけください。貴社の目指す姿から逆算し、最適なソリューションをご提案させていただきます。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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