【役員コラム】経営者が取り組むべきエンゲージメント向上
2026.08.10
経営者が取り組むべきエンゲージメント向上
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
取締役 執行役員 宮花 宙希
こんにちは、船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングの宮花です。
現場の育成や制度の運用が進んでいく中で、最終的にその成果を決めるのは何か。
それこそが、今回のテーマである「経営者自身が主導するエンゲージメント向上」です。
現場の管理職や人事に「社員のエンゲージメントを上げてくれ」と指示を出すだけで、経営者自身が人事戦略を現場任せにしてはいないでしょうか。
エンゲージメント向上とは、単なる「社員満足度アップ」や「仲良しサークルづくり」ではありません。
「経営戦略と人事施策を一貫させ、企業と社員が共に成長する状態」を創り出すことであり、トップである経営者にしか推進できない最重要の経営課題なのです。
今回は、経営者が主導すべきエンゲージメント向上の本質と、実際に人的資本経営とAI・DXを活用して飛躍的な業績向上を達成した成功事例をご紹介します。
経営者が捉えるべきエンゲージメント向上の「2つのポイント」
経営者がエンゲージメント向上に取り組む際、押さえておくべき本質的なポイントは以下の2点に集約されます。
1. 「人事施策の点展開」から「経営戦略と一貫したストーリー」への転換
多くの企業でエンゲージメントが高まらない原因は、採用、評価、育成、福利厚生といった各施策がバラバラに実施されている点にあります。経営者が自らの言葉で「自社がどこを目指し、そのためにどんな人材を求め、どう評価・還元していくのか」という一貫したストーリーを示さなければ、社員は真の意味で組織に共感せず、エンゲージメントが高まりません。
2. 直感や経験に頼らない「データとテクノロジー(AI・DX)」の活用
これまでのエンゲージメント向上策は、「現場の感覚」や「経営者の直感」頼みになりがちでした。しかし、組織が拡大するにつれて、トップの目が行き届かなくなるのは当然です。現在では、データやAIツールを活用して組織の状態や人事評価の課題仮説を可視化・検証できる時代になりました。客観的なデータに基づき、根拠を持った組織改善を行うことが、社員からの信頼とエンゲージメント獲得に不可欠です。
【成功事例】売上26億円から65億円へ!人的資本経営×AI・DXで急成長を遂げた住宅不動産企業
ここで、私たちが支援させていただいた、経営者主導でエンゲージメント向上と業績アップを同時に実現された企業様の事例をご紹介します。
【企業の概要】
業界・地域: 住宅不動産業(北海道)
成長軌道:
導入初期:売上26億円/従業員85名
推進期 :売上45億円/従業員126名
成果 :売上65億円/従業員200名
課題と経営者の決断
創業期から拡大期へ向かう中で、同社は「組織の急拡大に伴う人事評価制度の形骸化」や「社員のエンゲージメントの乖離」という壁に直面していました。評価制度を作っても現場の納得感が低く、経営陣の意図が浸透しにくい状態だったのです。
そこで経営トップは、単なる「制度の修正」ではなく、「人的資本経営とテクノロジーの全面導入による組織改革」を決断されました。
実施した取り組みのポイント
「組織SANBŌ」等を活用した人事評価制度の課題構築と改善の検証 感性や印象で行われがちだった評価や組織診断に対し、HRツール(組織SANBŌ等)やAI・DXを組み込みました。組織の課題仮説をデータで可視化し、どこにエンゲージメントのボトルネックがあるのかをピンポイントで特定・改善するアプローチをとったのです。
経営戦略と人事施策の統合
評価制度の改善を通じて、「どのような価値観や成果が会社で評価されるのか」を明確化。社員一人ひとりが自らの貢献度と成長ストーリーを実感できる環境を整えました。
「定着」と「成長」の山を越える継続的な人的資本推進 採用・定着・育成の各フェーズにおいて、AIやテクノロジーを活用した客観的なフォローを継続。結果として、早期離職が防がれるだけでなく、社員が主体的に成果を出す組織カルチャーが形成されました。
成果:組織拡大と業績の「両立」
一般的に組織が急拡大するとエンゲージメントは低下しやすいと言われますが、同社では従業員数が85名から200名へと2.3倍以上に増加しながらも、エンゲージメントと生産性が高まり続け、結果として売上65億円(2.5倍)という持続的成長(サステナグロース)を達成されました。
経営者だからこそできる「投資」としてのエンゲージメント
上記の事例が示す最大の示唆は、「エンゲージメント向上とは、コストではなく最高の事業投資である」という事実です。
トップが覚悟を決め、人的資本経営の旗を振り、最新のテクノロジーを活用して現場の課題に向き合う。その姿勢こそが、社員の「この会社で働き続けたい」「会社の成長に貢献したい」というエンゲージメントの原動力になります。
「人事は現場や人事部に任せてある」という意識を今すぐ捨て、経営者自身が「ヒトと組織の未来」をデザインする第一人者になりましょう。トップの意識が変わった瞬間から、組織の変革は始まります。
人材採用・募集活性化・1on1・人材定着・離職防止・人的資本経営などに関する無料相談とお問い合わせ
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