【役員コラム】人的資本経営の陥りやすい「3つの落とし穴」
2026.05.13
【役員コラム】人的資本経営の陥りやすい「3つの落とし穴」
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
取締役 執行役員 宮花 宙希
こんにちは、船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングの宮花です。
前回のコラムでは、私たちが目指すべきビジョンと、組織における「人」の重要性についてお話ししました。各拠点の担当者から、現場での課題感や今後の期待について熱いフィードバックをいただき、私自身も非常に刺激を受けています。
しかし、経営陣や人事が掲げる理想の施策を「現場に浸透させる」プロセスには、必ずと言っていいほど「壁」が立ちはだかります。
今回は、人事の実践現場で特に陥りやすい問題とその対策についてお伝えします。
1. 「制度の完成度」が目的化してしまう
新しい評価制度や研修プログラムを設計する際、会社として「完璧な仕組み」を作ろうとするあまり、その導入自体が目的になっていないでしょうか。本来の狙いは、社員の成長や組織の活性化であるはずです。「制度を回すこと」に精一杯になり、現場の納得感や本来の目的が置き去りになっていないか、常に立ち返る必要があります。
2. 現場の「実行コスト」を過小評価してしまう
人事施策は、現場のマネジャーや社員の協力なしには成立しません。しかし、良かれと思って追加した「ちょっとした報告」や「面談シート」が、多忙な現場にとって大きな負担(実行コスト)になっていることがあります。現場のオペレーションにどれだけ負荷をかけているかを把握し、引き算の視点で仕組みを簡素化する努力が不可欠です。
3.「公平性」を意識しすぎて柔軟性を欠いてしまう
人事は「全社一律」「公平・公正」を重視するあまり、個別の事情や特定の部署が抱える特殊な課題に対して、画一的な対応を押し通してしまいがちです。守るべきルールは維持しつつも、現場の最前線で起きている変化に対して、どれだけ「対話」を通じた柔軟な運用ができるか。このバランス感覚こそが、人事の信頼を左右します。
これらの「壁」に直面しているということは、私たちが現場と本気で向き合い、変革を進めようとしている証拠でもあります。制度に人を当てはめるのではなく、人が活きるために制度をどう使いこなすかをあらためて検討いただければ幸いです。
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