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【交通誘導警備業界の経営・採用】2026年上半期の振り返りと下半期に向けたポイント

2026.06.09

 

 

本コラム記事では、交通誘導警備会社の経営者・幹部向けに、2026年上半期時点の人材不足、採用難、賃金上昇、熱中症対策、教育・定着・単価改善の課題を整理し、下半期に向けた経営・採用強化策を解説しています。

こちらは異業種・未経験で交通誘導警備ビジネスへの新規参入をお考えの企業様も必見の内容となっております。この機会にぜひご覧ください。

 

1.2026年上半期の交通誘導警備業界を振り返る視点

2026年上半期の交通誘導警備業界は、人材不足、採用難、賃金上昇、現場負担の増加が重なり、中小の交通誘導警備会社にとって経営の難易度が高まった時期といえます。

特に、道路工事、建設現場、インフラ関連工事、イベント警備、商業施設周辺の誘導など、交通誘導警備の需要は地域社会の安全維持と深く結びついています。

一方で、需要があるにもかかわらず、警備員を十分に確保できないために受注機会を逃す会社も少なくありません。

交通誘導警備会社にとって重要なのは、業界全体の需要があることに安心するのではなく、自社がその需要を安定的に受け止められる体制を持っているかを確認することです。

現場を任せられる警備員が足りなければ、売上は伸びません。

新人が入っても定着しなければ、採用費と教育工数だけが増えます。

現場リーダーが育っていなければ、複数名現場や難易度の高い現場を受けにくくなります。

2026年上半期は、交通誘導警備会社にとって「需要の有無」ではなく、「人材を採り、育て、定着させ、適正価格で現場を運営できるか」が問われた時期でした。

下半期に向けては、採用活動だけを強化するのではなく、教育、配置、評価、定着、営業単価、労務管理を一体で見直すことが重要です。

 

2.人材不足は一時的な問題ではなく構造的な課題である

交通誘導警備業界の人材不足は、一時的な採用不調ではなく、構造的な経営課題として捉える必要があります。

中小企業庁の2025年版中小企業白書では、中小企業の人材不足感が高止まりしていることが示されています。特に、従業員規模が大きくなるほど人材不足感が強まる傾向も整理されています。

交通誘導警備会社でも、一定規模を超えて現場数が増えてくると、人材不足の影響はより深刻になります。

小規模なうちは、経営者や管制担当者が個別対応で現場を回せる場合もあります。

しかし、現場数が増え、警備員数が増え、顧客数が増えるほど、属人的な管理では限界が出ます。

採用できない問題だけでなく、採用した人が続かない問題、現場リーダーが不足する問題、資格者が足りない問題、管制担当者に負荷が集中する問題が同時に発生します。

そのため、下半期に向けては、人材不足を「求人媒体の問題」だけにしないことが重要です。

応募数が少ないのか、面接率が低いのか、内定承諾率が低いのか、入社後の離職が多いのかを分けて確認する必要があります。

たとえば、応募はあるのに面接につながらない場合は、応募後の連絡スピードや面接設定に課題があります。

面接後の辞退が多い場合は、仕事内容や勤務条件の説明に不安が残っている可能性があります。

入社後すぐに辞める場合は、現場配属、教育、フォロー、勤務条件の実態に問題がある可能性があります。

人材不足を正しく分解できる会社ほど、下半期の採用改善は進めやすくなります。

 

3.採用は「数の確保」から「定着する人材の採用」へ変える

交通誘導警備会社では、人手不足が続くほど「とにかく応募者を増やしたい」「まずは人数を確保したい」という採用になりやすくなります。

しかし、採用人数だけを追うと、短期離職が増え、結果的に現場も採用担当者も疲弊します。

2026年下半期に向けては、採用の基準を「入社してくれる人」から「続いて戦力化する人」へ変えることが重要です。

交通誘導警備の仕事は、未経験から始めやすい一方で、誰にでも簡単に続けられる仕事ではありません。

屋外勤務への理解、時間管理、安全意識、指示理解、歩行者や車両への配慮、現場での冷静な対応が求められます。

そのため、求人原稿では「簡単」「誰でもできる」といった表現に寄せすぎない方が望ましいです。

仕事の始めやすさは伝えつつも、地域の安全を守る責任ある仕事であることを明確に伝える必要があります。

また、面接では、過去の職歴だけでなく、生活リズム、通勤可能範囲、屋外勤務への抵抗感、チームで働く姿勢、健康面の不安、希望する働き方を確認することが重要です。

交通誘導警備会社の採用では、若手人材、ベテラン人材、未経験者、副業希望者、地域密着で働きたい人材など、多様な候補者が対象になります。

それぞれの人材に対して、同じ訴求をするのではなく、働き方や成長イメージを分けて伝えることが採用強化につながります。

下半期は、求人票の表現、面接質問、内定後フォロー、入社後教育までを一貫させることが重要です。

 

4.賃金上昇を前提に採用戦略を組み直す

2026年下半期の交通誘導警備会社にとって、賃金上昇への対応は避けられないテーマです。

最低賃金や他業種の時給上昇が進む中で、警備業だけが従来の賃金水準のまま採用を続けることは難しくなっています。

厚生労働省は、令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について、仮に目安どおりに引上げが行われた場合、全国加重平均は1,118円、上昇額は63円(昨年度は51円)になると公表しています。

交通誘導警備会社では、日給や時給の見え方が応募率に直結します。

同じ地域で、物流、清掃、製造、小売、飲食、介護などの求人が並ぶ中で、交通誘導警備の求人が候補者から選ばれるには、処遇の見せ方が重要です。

単に日給を示すだけでなく、交通費、資格手当、リーダー手当、遠方手当、夜勤手当、猛暑時の配慮、勤務日数の柔軟性なども分かりやすく伝える必要があります。

ただし、賃上げだけで採用競争に勝とうとすると、利益率が悪化します。

そのため、賃金上昇への対応は、採用戦略だけでなく営業戦略と連動させる必要があります。

現場単価が低いままでは、処遇改善、教育投資、安全対策、採用広報に十分な原資を回せません。

下半期に向けては、採用市場の賃金水準を確認し、自社の受注単価、粗利、警備員給与、手当、採用費を一体で見直すことが重要です。

人材を採用できる会社になるには、適正な価格で受注できる会社になる必要があります。

 

5.熱中症対策は労務管理だけでなく採用力にも関わる

交通誘導警備業界では、夏場の熱中症対策が非常に重要です。

道路工事や建設現場での交通誘導は、屋外で長時間行われることが多く、気温や湿度の影響を強く受けます。

厚生労働省は、令和7年6月1日から職場における熱中症対策を強化し、熱中症のおそれがある作業に関して、報告体制の整備、対応手順の作成、関係作業者への周知を事業者に義務付ける内容を示しています。

この流れは、2026年下半期の交通誘導警備会社にとっても継続的に重要です。

熱中症対策を現場任せにしている会社は、警備員からの信頼を失いやすくなります。

一方で、暑さ対策を具体的に整えている会社は、採用面でも定着面でも評価されやすくなります。

具体的には、現場ごとの休憩場所、給水方法、塩分補給、空調服、冷却用品、体調確認、緊急連絡網、搬送先の確認などを整備する必要があります。

また、新人警備員やベテラン人材には、体調不良を言い出しやすい雰囲気づくりも大切です。

「我慢することが美徳」という現場文化が残っていると、重大な事故につながる恐れがあります。

採用広報でも、熱中症対策は重要な訴求要素になります。

求職者は、交通誘導警備の屋外勤務に不安を持っています。

その不安に対して、会社としてどのような対策をしているのかを求人原稿や面接で伝えることで、応募者の安心感を高められます。

熱中症対策は、単なる安全衛生対応ではなく、採用力、定着率、現場品質を高める経営施策として考えるべきです。

 

6.教育体制の差が現場品質と定着率を左右する

交通誘導警備会社では、教育体制の差がそのまま現場品質の差になります。

新人警備員が安心して現場に出られるかどうかは、採用後の教育と初期フォローに大きく左右されます。

法定教育を実施することは当然ですが、それだけでは十分ではありません。

実際の現場では、車両誘導、歩行者誘導、片側交互通行、工事車両の出入り、近隣住民への声かけ、発注者への報告、トラブル時の初期対応など、多くの実務判断が求められます。

教育が現場任せになると、教える内容にばらつきが生まれます。

新人が安心して成長できる会社にするには、教育項目を標準化する必要があります。

たとえば、入社初期には、警備業務の基本、安全確認、服装、挨拶、報告連絡相談、現場での立ち位置を教えます。

次に、交通量の少ない現場で実務経験を積み、先輩警備員の同行を受けながら判断力を高めます。

その後、片側交互通行や複数名現場など、難易度の高い現場に段階的に配置します。

このような育成ステップがある会社は、新人が不安を抱えにくくなります。

また、教育体制は採用時の訴求にもなります。

「未経験歓迎」と書くだけではなく、「入社後何日間で何を学ぶのか」「誰が教えるのか」「どのような現場から始めるのか」を示すことで、応募者の安心感が高まります。

下半期に向けては、教育を属人的な経験伝承ではなく、会社全体の仕組みとして整えることが必要です。

 

7.現任教育を定着とリーダー育成の場に変える

交通誘導警備会社では、現任教育を法定対応として実施している会社が多いです。

しかし、現任教育を単なる義務対応で終わらせるのは非常にもったいないです。

2026年下半期に向けては、現任教育を定着支援、品質向上、リーダー育成の場として活用することが重要です。

交通誘導警備員は、現場が分散しているため、会社との接点が少なくなりやすい仕事です。

日々の現場に直行直帰する働き方が中心になると、経営方針や会社の考え方が伝わりにくくなります。

その結果、警備員が孤立感を抱き、会社への帰属意識が弱くなる場合があります。

現任教育では、法定教育の内容に加えて、会社の方針、現場で大切にしたい行動、発注者から評価されている事例、事故やクレームの防止策、資格取得支援、待遇改善の考え方を伝えることが有効です。

また、警備員同士が意見交換できる時間を設けることで、現場の悩みや改善点を把握しやすくなります。

教育の場で出た声を管制業務や現場運営に反映すれば、警備員は「会社が現場を見てくれている」と感じやすくなります。

現任教育は、知識を確認するだけの場ではありません。

会社と警備員の信頼関係を作り、現場品質を高めるための重要な経営機会です。

 

8.現場リーダーの育成が受注拡大の前提になる

交通誘導警備会社が下半期に売上を伸ばすには、現場リーダーの育成が欠かせません。

警備員数が増えても、現場を任せられる人材が不足していれば、大型現場や複数名現場を安定して受けることは難しくなります。

現場リーダーは、単に経験年数が長い人ではありません。

新人に声をかけられること、発注者と冷静にやり取りできること、危険を予測できること、現場状況を会社に報告できること、トラブル時に初期対応できることが求められます。

特に交通誘導警備では、現場ごとに条件が異なります。

道路幅、交通量、歩行者動線、工事車両の出入り、近隣住民の状況、発注者の要望が変わります。

その中で、現場リーダーが適切に判断できるかどうかが、現場品質を大きく左右します。

下半期に向けては、リーダー候補を早期に見つけ、段階的に育成することが必要です。

まずは新人の横につく補助役から始め、小規模現場の責任者、複数名現場のリーダー、顧客対応を含む現場責任者へと役割を広げます。

その際、責任だけを増やすのではなく、リーダー手当、評価制度、教育機会を整えることも重要です。

現場リーダーが育つ会社は、採用した人材を現場で孤立させにくくなります。

結果として、定着率が高まり、発注者からの信頼も高まりやすくなります。

 

9.管制業務の改善は定着率と利益率に直結する

交通誘導警備会社の経営では、管制業務が非常に重要です。

管制は、警備員を現場に割り当てるだけの業務ではありません。

警備員の能力、資格、経験、通勤距離、希望勤務日、体調、現場相性、顧客特性を踏まえ、最適な配置を行う経営機能です。

しかし、中小の交通誘導警備会社では、管制業務が特定の担当者に属人化しやすい傾向があります。

経験豊富な担当者の勘と記憶で配置を回している場合、短期的には現場が回ります。

しかし、担当者に負荷が集中し、休みが取りにくくなり、引き継ぎも難しくなります。

また、配置の理由が見えにくいと、警備員側に不公平感が生まれることもあります。

下半期に向けては、管制業務を見える化することが重要です。

警備員ごとの保有資格、対応可能現場、通勤範囲、勤務可能曜日、希望勤務日数、健康面の配慮事項を整理します。

現場ごとには、必要人数、難易度、交通量、発注者特性、必要資格、リーダー配置の必要性を整理します。

この情報を蓄積すれば、配置判断の質が高まります。

さらに、無理な配置を減らすことで、警備員の不満や離職リスクも下げられます。

管制改善は、採用活動ほど目立ちません。

しかし、現場稼働率、定着率、顧客満足、利益率に直結する重要な経営テーマです。

 

10.営業単価の見直しを避けてはいけない

2026年下半期に向けて、交通誘導警備会社が取り組むべき大きなテーマが営業単価の見直しです。

採用難、賃金上昇、熱中症対策、教育投資、資格取得支援、リーダー手当などを進めるには、原資が必要です。

その原資を確保しないまま、採用や定着だけを強化しようとしても限界があります。

安価な受注を続けると、警備員の処遇改善が難しくなります。

処遇改善ができなければ、採用競争で不利になります。

採用できなければ、現場を受けられません。

現場を受けられなければ、売上も利益も伸びません。

この悪循環を断ち切るには、適正価格で受注する営業体制が必要です。

交通誘導警備会社は、発注者に対して、単に人を配置しているのではなく、安全管理、教育、資格者配置、熱中症対策、事故防止、近隣対応、報告体制を提供していることを伝える必要があります。

営業資料には、教育内容、資格者数、現場リーダー体制、安全対策、緊急時対応、過去の対応実績を整理するとよいです。

価格交渉では、人件費上昇や安全対策コストを具体的に説明することも重要です。

採用力を高めるには、営業力も高める必要があります。

交通誘導警備会社の下半期戦略では、「採用」と「単価改善」を別々に扱わないことが重要です。

 

11.ベテラン人材を現場品質の資産として活かす

交通誘導警備業界では、ベテラン人材の存在が非常に重要です。

経験豊富な警備員は、現場での危険予測、歩行者対応、車両誘導、発注者との関係づくり、新人への声かけなどで大きな役割を果たします。

一方で、ベテラン人材に頼りすぎると、体力的な負担が大きくなる場合があります。

遠方現場、長時間勤務、猛暑日の屋外勤務、交通量の多い現場が続けば、健康面のリスクも高まります。

下半期に向けては、ベテラン人材を単なる人員として見るのではなく、現場品質を支える人的資本として活かすことが重要です。

たとえば、経験豊富な人材には、新人教育、現場リーダー補佐、顧客対応、危険予知教育などの役割を任せることができます。

一方で、体力負担が大きい現場では、勤務時間、休憩、配置場所、同行者を調整する必要があります。

また、指導役を担う場合には、評価や手当で報いることも重要です。

ベテラン人材の経験を会社全体の教育資産に変えられる会社は、新人の立ち上がりも早くなります。

結果として、定着率と現場品質の両方が高まりやすくなります。

 

12.資格取得支援を採用・教育・営業に活かす

交通誘導警備会社にとって、資格者の確保は事業運営上の重要テーマです。

資格者が多い会社は、受注できる現場の幅が広がり、発注者への信頼も高まりやすくなります。

また、警備員本人にとっても、資格取得は成長実感や処遇改善につながります。

下半期に向けては、交通誘導警備業務検定などの資格取得支援を計画的に進めることが重要です。

資格取得費用の補助、講習参加日の勤務調整、合格後の資格手当、資格者の役割明確化を整えることで、警備員の意欲は高まりやすくなります。

採用広報でも、「未経験から資格取得を目指せる会社」と伝えることができます。

求職者は、入社後にどのように成長できるかを重視しています。

資格取得までの流れが見える会社は、長く働くイメージを持たれやすくなります。

また、営業面でも資格者数や教育体制は差別化材料になります。

発注者に対して、資格取得支援や教育体制を伝えることで、価格だけではなく品質で選ばれる可能性が高まります。

資格取得支援は、採用、教育、定着、営業をつなぐ重要な施策です。

 

13.採用広報では「地域の安全を支える仕事」と伝える

交通誘導警備の採用では、日給、勤務日数、未経験歓迎といった条件面の訴求が中心になりやすいです。

しかし、条件面だけでは他業種との比較に巻き込まれやすくなります。

下半期に向けては、交通誘導警備の仕事の意義を採用広報で伝えることが重要です。

交通誘導警備は、工事現場の車両や歩行者を安全に誘導し、事故や混乱を防ぐ仕事です。

道路工事や建設工事が安全に進む背景には、現場で交通誘導を担う警備員の存在があります。

また、地域住民や通行人にとっても、交通誘導警備員の丁寧な声かけや分かりやすい誘導は安心につながります。

警察庁の情報でも、警備業が生活安全サービスを幅広く提供し、重要施設や大規模イベントなど社会的需要の増大に対応していることが示されています。

求人原稿では、「交通誘導スタッフ募集」だけでなく、「地域の工事現場を安全に進める仕事」「歩行者と車両の安心を守る仕事」「未経験から地域社会に貢献できる仕事」と伝えることが効果的です。

仕事の意義が伝わると、応募者の質も変わりやすくなります。

条件だけで応募した人よりも、仕事の意味に共感した人の方が、入社後の定着につながりやすい場合があります。

 

14.下半期は採用・定着・単価改善を一体で進める

2026年下半期に向けて、交通誘導警備会社が最も重視すべきことは、採用、定着、単価改善を一体で進めることです。

採用だけを強化しても、定着しなければ意味がありません。

定着だけを強化しても、処遇改善の原資がなければ限界があります。

単価改善だけを進めても、現場品質が伴わなければ顧客から選ばれません。

つまり、下半期の経営では、採用、教育、配置、定着、営業、単価、品質をつなげて考える必要があります。

まず、採用では、続く人材を採るために求人原稿と面接を見直します。

次に、教育では、新人が安心して現場に出られるように育成ステップを整えます。

さらに、定着では、現場フォロー、現任教育、ベテラン人材の活躍支援、リーダー育成を進めます。

営業では、教育体制や安全対策を訴求し、適正価格で受注できるようにします。

最後に、単価改善で得た原資を、処遇改善、教育投資、採用広報、安全対策に再投資します。

この循環を作ることが、交通誘導警備会社の持続的な成長につながります。

下半期は、場当たり的な採用活動から抜け出し、経営全体で人材戦略を組み直す時期です。

 

15.経営者・幹部が下半期に確認すべき指標

交通誘導警備会社の経営者・幹部は、下半期に向けて人材と業績の指標をセットで確認する必要があります。

確認すべき採用指標は、応募数、面接設定数、面接実施数、採用数、入社数、内定辞退数、入社後1か月以内の離職数です。

定着指標としては、離職率、欠勤率、稼働率、現場別の定着状況、年齢層別の勤務継続状況を確認します。

教育指標としては、新任教育の受講状況、現任教育の実施状況、資格取得者数、リーダー候補者数を確認します。

営業指標としては、現場別粗利、顧客別採算性、値上げ交渉状況、クレーム件数、追加受注数を確認します。

安全指標としては、事故件数、ヒヤリハット件数、熱中症リスク対応状況、緊急連絡体制の整備状況を確認します。

これらの指標を別々に見るのではなく、つながりで見ることが重要です。

たとえば、離職率が高い現場は、現場難易度、配置、教育、顧客対応、単価に問題があるかもしれません。

粗利が低い顧客は、警備員の負担が大きいにもかかわらず、価格が合っていない可能性があります。

欠勤が多い時期は、勤務シフト、体調管理、暑熱対策、現場フォローに課題があるかもしれません。

数字を見ることで、経営課題を感覚ではなく事実で捉えることができます。

下半期は、現場感覚と経営数字を結びつける管理体制が必要です。

 

16.結論・まとめ

2026年上半期の交通誘導警備業界は、人材不足、採用難、賃金上昇、熱中症対策、教育・定着の重要性がより明確になった時期でした。

交通誘導警備の需要は、道路工事、建設現場、地域インフラ、イベントなどに支えられ、社会的に必要とされ続けています。

しかし、需要があるだけでは会社は成長できません。

警備員を採用し、育て、定着させ、現場品質を高め、適正価格で受注できる体制が必要です。

下半期に向けて、交通誘導警備会社が取り組むべきことは明確です。

採用では、人数だけでなく定着する人材を見極める必要があります。

教育では、法定教育だけでなく、現場実務に即した育成ステップを整える必要があります。

定着では、現場フォロー、現任教育、ベテラン人材の活躍支援、現場リーダー育成が重要です。

労務管理では、熱中症対策や健康管理を現場任せにせず、会社として仕組み化する必要があります。

営業では、人件費上昇や安全対策コストを踏まえ、適正価格で受注する力が求められます。

交通誘導警備会社が下半期に成長するためには、「採用を頑張る」だけでは不十分です。

採用、教育、定着、管制、営業、単価改善を一体で進めることが必要です。

人材を大切にし、現場品質を高め、顧客から適正価格で選ばれる会社になることが、2026年下半期の経営・採用強化における最大のポイントです。


17. 参考資料

警察庁|令和6年における警備業の概況

警察庁|統計|警察庁Webサイト

警察庁|省力化投資促進プラン ―警備業―

中小企業庁|2025年版 中小企業白書(HTML版) 第4節 人材戦略

中小企業庁|2025年版 中小企業白書(HTML版) 第6節 まとめ

厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

厚生労働省|全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました

厚生労働省|職場における熱中症対策の強化について

厚生労働省|職場における熱中症対策の強化について(令和7年6月1日施行)

厚生労働省|熱中症対策が義務化されます(令和7年6月1日施行)

 

18. 人材採用・募集活性化・1on1・人材定着・離職防止・人的資本経営などに関する無料相談とお問い合わせ

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