【役員コラム】AIで済まされる上司
2026.11.04
【役員コラム】AIで済まされる上司
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
取締役 執行役員 山根 康平
自社のことを、ChatGPTに聞いたことはありますか?
「〇〇社で働くのはどう?」
いま、求職者はこの質問から転職活動を始めています。
大事な転職を、AI任せにするなんて。
私も最初はそう思いました。
でも、これが現実です。
仕事を探すのは、人ではなくAI
かつて、インターネットも疑われました。
昔:「ネットで仕事を探して大丈夫?」
今:紙の求人誌より、ネットの方が正確で新しい
同じことが、AIで起きています。
ハルシネーションを指摘されながらも、
人が探すより、AIの方が正確で高精度になりつつある。
採用の勝者は、こう変わってきました。
2000年代:求人ポータルサイト
2010年代:求人検索エンジン
2020年代:AI
AIは、見栄えを読みません。
盛った求人原稿。
写真映えだけの採用HP。
バズ狙いのSNS投稿。
読むのは、労働条件・業績・口コミという「事実」だけ。
企業がお金と労力をかけている場所は、媒体・原稿・見せ方。
求職者とAIが実際に見ている場所は、条件・業績・口コミ。
ここに、大きな歪みがあります。
AIに勧められる会社かどうかを決めるのは、
働き方・育成・定着・評価という「人に関する実態」です。
上司の言葉も、AIに検証される
ここまでは採用の話です。
マネジメントでも、同じことが起きています。
最近、やけに日報の誤字脱字がなくなった。
チャットのやり取りが論理的になった。
メンバーは、私と話す前にAIを通している。
私に相談する前に、AIに相談している。
「上司にこう言われたけど、これって正しい?」
根拠のない指示。
感覚だけの評価。
その場の思いつき。
すべて、見抜かれます。
誰が言うかより、何を言うか。
それでも、最後に選ぶのは人です。
AIは候補を挙げてくれる。
「この人と働きたい」という決め手までは、くれない。
AIの次に相談される上司か。
AIで済まされる上司か。
人的資本投資 = 人 × AI
人:判断する力/信頼をつくる力/関係を育てる力
AI:情報を集める力/分析する力/作業をこなす力
掛け算です。片方がゼロなら、答えはゼロ。
人だけ(採用・評価・研修)
→ 社員も候補者もAIで賢くなる中、会社だけが置いていかれる。
AIだけ(ツール導入)
→ 人と人の関係が育たず、成果が出ない。
会社がやるべきAXは、三つの層です。
経営者AI:戦略立案・事業企画・交渉
人事AI:1on1の分析・組織戦略・コンディション分析
業務AI:生産性向上
生産性向上で止めてしまえば、AXはまだ入口。
本当に深いAXは、AIで浮いた時間と情報を、
人の判断と関係に投資し直すことです。
AIに選ばれる会社とは、
AIの次に相談される上司が、たくさんいる会社。
最後に、ひとつだけ
冒頭の質問を、実際にChatGPTに投げてみてください。
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