<ディレクターコラム>【自走する組織を作りたい】だからまず、経営者の「何かを手放す決断」とAI・テクノロジー活用が必要
2026.10.26
<ディレクターコラム>【自走する組織を作りたい】
だからまず、経営者の「“〇〇〇(何か)”を手放す決断」と
AI・テクノロジー活用が必要
株式会社 船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング
事業推進部 新規事業企画推進グループ
ディレクター 南原 繁
経営者の皆様、人事責任者の皆様
いつもお疲れ様です。
前回は、経営計画を「絵に描いた餅」に終わらせず、現場の日常(採用・組織・会議体・評価)へ人財レバーを一貫して貫通させる「現場OS(※)の刷新」についてお伝えしました。
(※)OSとは、ものごとへの思考、判断、行動の基盤
自走する組織づくりに向けて、新しい取り組みや施策を始めようとする際、多くの企業が直面する大きな壁があります。
「現場が日々の業務に追われ、新しい挑戦をする時間も心の余裕もない」
「良かれと思って始めた施策が、かえって現場の負担を増やしてしまう」
という【過密と疲弊の壁】です。
今回は、現場が自主的に動き出すためのスペースを生み出す【経営者の「手放す決断」とテクノロジー(AI/DX)の活用】について、実際の3つの成功事例を交えてお伝えします。
「足し算」の前に、徹底的な「引き算(捨てる決断)」を行う
新しい人財ビジョンやプロジェクトを打ち出しても、現場の業務が100%詰まった状態では、社員は現状維持で手一杯になってしまいます。
組織を自走させている経営者が最初に行うのは、施策の「足し算」ではなく、「何を捨てるか(手放すか)」という引き算の決断です。
· 指示命令・過剰な事前承認・根回し(指示待ちコストの削減)
· 単なる報告や確認のためだけに開かれる長時間の会議
· 手入力や重複作業、紙の書類やり取りなどのノンコア雑務
こうした「人の思考や感情を揺さぶらない無駄な作業」や「保身のための過剰な管理」を経営陣が覚悟を持って削ぎ落とすことで初めて、現場に「自分の頭で考えるための時間と余裕」が生まれます。
テクノロジーで業務を削ぎ落とした「3つの具体事例」
実際に「引き算の決断」を行い、テクノロジーを活用して業務を削ぎ落としたことで、劇的な変化を遂げた3つの企業の事例をご紹介します。
事例①:医療・訪問看護法人(悠翔会様モデル)
·手放したもの: 医師や専門職が抱えていた書類作成、積算、移動の調整、訪問ルートの検討などのノンコア事務作業。
·テクノロジー活用: 専用オペレーターの配置と併せ、AI音声入力ツールやICT管理ツールを導入し、現場での手入力やカルテ作成を自動化。
·結果:専門職が事務作業から100%解放され、目の前の患者様に向き合う時間と心の余裕(コア価値)を創出。理念共感による採用力が跳ね上がり、離職率も劇的に低下しました。
事例②:創業140年の製造・販売企業(カクイチ様モデル)
·手放したもの:経営陣への事前稟議、社内根回し、ハンコ承認、一方的な報告会議。
·テクノロジー活用:全社コミュニケーションプラットフォーム(Slack)を導入し、役員会を含めたすべての社内チャンネルと情報を100%全公開(情報の民主化)。
·結果:事前承認や会議のための準備時間が激減。全社員が経営層と同じ情報を持つことで、役員が提示した20の最重要タスクに対し、部署横断の選抜チームがハンコ待ちゼロでアジャイルに自走・挑戦する風土が生まれました。
事例③:中堅建設・施工企業(A社モデル)
·手放したもの: 手入力による日報作成、紙の図面持ち歩き、重複した進捗報告作業。
·テクノロジー活用: AIによる図面・CADの即時処理、アプリによる直行直帰と自動日報作成システム(STEP 0)を構築。
·結果:全社で月間数百時間の雑務時間を削減(手入力100%消去)。創出した時間と労力を新事業の企画や現場改善、メンバー同士の1on1対話へ再配置し、1人当たり粗利が大幅に向上しました。
テクノロジーは「人を減らすため」ではなく「人を活かすため」に使う
3つの事例に共通しているのは、AIやDXの目的を「単なる人員削減やコストカット」と捉えていない点です。
テクノロジーを活用して時間を創出する本当の目的は、「人間(社員)にしかできない、本質的な仕事に時間と情熱を注いでいただくため」にあります。
·顧客や仲間の感情に寄り添い、深い信頼関係を築く対話(1on1や定着支援)
·自社のバリューに基づき、やったことのない領域へ果断に挑むプロジェクト推進
·新しい価値や事業を生み出すための、前向きな試行錯誤(ナイストライ)
低付加価値な雑務から社員を解放し、「人がやるべき意味のある仕事」に集中できる環境を整えることこそが、真の「人財開花」を後押しします。
今回の問いかけ
貴社において、AIやテクノロジーに置き換えることで、社員の貴重な時間と情熱を解放できる「手放すべき慣習や無駄な作業」は何ですか?
新しい施策を重ねる前に、まずは何を現場から取り除いてあげるべきかを考えてみましょう。
次回は、こうして生まれた時間と余裕の中で、次世代のリーダーや幹部候補をどのように見出し、育て上げていくかという「幹部育成とサクセッションプラン(事業承継・後継者育成)」にスポットを当ててお届けします。
--------------------------------------------------
ー個別でご相談いただける無料オンライン説明会を実施しております。
・形式:オンライン(45分)
・日程:個別調整
--------------------------------------------------
無料相談とお問い合わせ
この機会にぜひ下記詳細をご確認の上、お申し込みください。
<詳細・お申し込みはこちらから>
⇒ https://www.hc.funaisoken.co.jp/pages/consultation
<人材定着コンサルティング・1on1コンサルティング詳細・お申し込みはこちら>
⇒ https://www.hr-force.co.jp/1on1-consulting
次回もどうぞお楽しみに。
関連コラム
- 【社長コラム】AI人材を増やす前に、経営者が考えること
- 【AIで"2週間→10時間"に】守りの第一歩は、実は"ワンクリック"だった《部長/MDコラム》
- 【福祉業界向け】AI導入のカギは「現場職員」
- 【「うちの会社にも当てはまる」が見つかる!】人材ビジネス現場事例――半導体・仕組み化・海外人材・AI活用
- 【役員コラム】AIに任せた社長の仕事5つ
- 半導体・仕組み化・海外人材、成長企業のリアルな戦略を学んで活かすには?
- 【ディレクターコラム】AI活用で『指示待ち社員』が消える~創業140年企業と医療トップランナー企業2社のAI活用と組織変革
- 【採用計画、教育体制、生成AI・DXの現場実装…】下半期の経営判断、しっかりと進んでいますか?
- 【AIエージェントも"承認待ち"で止まる】Grok Bot開発元が公式に警告した"blast radius"《部長/MDコラム》
- 【社長コラム】58万件の情報が、140年企業の「組織の資産」になるまで


