【旅館業・人事評価制度導入事例】100%源泉かけ流しの老舗温泉旅館「星野商事株式会社(花月ハイランドホテル)様」が挑んだ、時給制から月給制への構造転換と、管理職を巻き込んだ納得感の高い人事評価制度運用

星野商事 株式会社 様(花月ハイランドホテル 様)外観
【導入前の背景と課題】
旅館業における「閑散期と繁忙期の波」の課題、そして「想いを伝える仕組み」の不足
福島県福島市の町庭坂、標高800メートルの高台に位置し、「天空の湯宿」として400年以上の歴史を誇る名湯・高湯温泉を源泉100%かけ流しで提供する星野商事株式会社(花月ハイランドホテル)様。星野要人取締役を筆頭に、地域に愛され選ばれ続ける旅館を目指して組織改革に挑まれました。
当時、直面していた課題は、旅館業ならではの「雇用と定着」の構造的課題にありました。
長くから働いているスタッフ、海外から挑戦しに来てくれているスタッフに安心できる環境と待遇を届けることは出来ない状態です。
●「何を基準に頑張れば報われるのか」を示す仕組みの不足
旧来の体制では、職職種ごとの役割期待や、昇給・賞与における明確な評価基準が十分に可視化されていませんでした。
そのため、メンバー一人ひとりが「自社でどのようなキャリアステップを描けるのか」「何を身につければ成長し、給与に還元されるのか」が不透明であり、主体的な育成が難しい状況にありました。
●自社による安定的な採用・定着ルートの未整備
特にフロントや調理・配膳など、サービス品質の根幹を支える部門において、人手不足の際には都度外部の外部スタッフや派遣ワーカーに頼らざるを得ない状況にありました。おもてなしの質を中長期的に高めるためにも、自社で人財を募り、丁寧に定着・育成させていく仕組みづくりが課題となっていました。
【ご支援内容と成果】
「生活の安定」×「安心のキャリアステップ」×「じっくり育てる自社採用」を三位一体で実現
単なる査定のための評価シート作成にとどまらず、従業員の皆様が「星野商事で長く、安心して、誇りを持って働ける環境」を創り出すため、以下の制度設計と採用活動のアップデートを同時並行で進めました。
■時給制から「月給制(固定給)」への構造転換と、調整額による年収保証
閑散期の給与減少不安を根本から解消するため、これまでの時給制から「月給制(固定給)」へと給与体系のドラスティックな移行を決断しました。
年間休日、1日当たり実働時間を基準とし、等級ごとの基本給を明文化した賃金テーブルを新たに設計。
さらに、制度移行の過渡期に従業員の不利益変更が発生しないよう、個々の働き方や前年の実績を踏まえた個別調整を導入し、閑散期の給与を保証できる仕組みを構築。「どんな季節でも、毎月安定した生活が送れる」という安心の土台が完成しました。
■「おもてなしの成果(口コミ)」と「日々の姿勢(マインド)」を連動させた評価制度
人事評価制度の主たる目的を「会社の求める方向性と個人の成長を一致させ、頑張りに正当に応えること」に定めました。
フロント、配膳、調理の各部門において、じゃらん・楽天トラベル・Yahoo!トラベル等の「口コミスコア(接客・食事に関する項目単体)」を評価項目にダイレクトに組み込みました。全員が「お客様に喜んでいただくおもてなし」を強く意識する体制を整えています。
また、 仕事の成果だけでなく、全社共通で意識してほしい「挨拶」「身だしなみ」「素直さ」「利他意識」を4大マインド項目として明確化。
経験の浅い若手や外国人スタッフであっても、日々のひたむきな姿勢がしっかりと評価され、昇給(号俸の上昇)に繋がるよう制度を整えました。
■高卒自社採用への初挑戦
これまで未開拓だった「高卒採用」に向け、福島市近隣の高校を訪問するアプローチリストを作成。
高校生の進路指導教員や本人、保護者に向けてホテルの真摯な育成方針を伝える「オリジナル採用パンフレット」を作成し、地元の若者が安心して飛び込める採用チャネルを構築しました。