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【リフォーム業界向け】1on1で管理職育成を推進する方法とポイント「その1」

2026.04.03

 

 

本コラム記事では、主にリフォーム業を展開する中小企業の経営者・幹部・人事担当者に向けて、1on1を活用した管理職育成の進め方を二部構成で解説しています。

今回は「その1」として、営業、施工、顧客対応が複雑に絡むリフォーム業界において、管理職の育成は人材の定着、離職防止、教育力向上、業績改善に直結する重要テーマです。この機会にぜひご覧ください。

 

※「その2」のコラムに関しましては、下記リンク先からご確認くださいませ。

https://www.hc.funaisoken.co.jp/blogs/column/1on1_reform_industry_management_training_point_sono2

 

1. なぜ今、リフォーム業界で1on1による管理職育成が必要なのか

リフォーム業の経営においては、単に案件を受注し、工事を進め、売上を積み上げるだけでは安定した成長は実現しにくく、営業担当、施工管理担当、現場職、事務スタッフがそれぞれの役割を果たしながらも、顧客満足と品質確保を両立できる組織づくりが求められています。

その中で特に重要になるのが管理職の存在であり、管理職が現場を正しく見て、部下の成長を支え、課題を早めに把握し、経営方針を現場の仕事へ落とし込めるかどうかによって、会社全体の生産性も人材の定着率も大きく変わってきます。

しかし実際のリフォーム業界では、案件対応の忙しさ、顧客対応の緊急性、施工トラブルへの即応、職人や協力会社との調整といった日常業務が優先されやすく、管理職育成が後回しになっている企業が少なくありません。

結果として、一定の営業実績や現場経験を持つ人材を管理職へ登用しても、部下育成の方法や対話の仕方を体系的に学んでいないため、指示は出せても育成ができない、注意はできても信頼を築けない、という状態に陥りやすくなります。

この問題は単なる個人能力の差ではなく、育成の仕組みが不足していることに起因することが多く、経営として放置すれば、若手や中堅が管理職のもとで成長実感を持てず、離職防止や定着の観点でも不利に働く可能性が高まります。

リフォーム業を営む多くの中小企業は限られた人材で事業を回しているため、一人ひとりの人材価値が非常に大きく、管理職の育成不全はそのまま会社全体の業績や組織力の低下につながりやすい構造にあります。

さらに、建設関連分野では慢性的な人手不足、高齢化、若手確保の難しさが継続しており、採用だけで問題を解決することは難しく、既存人材をどのように育成し、どのように定着させ、どのように戦力化するかが、これまで以上に経営の核心になっています。

このような状況下で1on1が注目される理由は、単なる面談手法だからではなく、部下の状況把握、信頼形成、課題の早期発見、成長支援、管理職自身の対話力向上を一つの場で進められる実践的な仕組みだからです。

特にリフォーム業では、現場で起きている小さな違和感や不満、顧客対応上の悩み、上司に言い出しにくい負荷、将来への不安が蓄積しやすく、それらを日常の中で拾えなければ、突然の退職やパフォーマンス低下として表面化することが少なくありません。

だからこそ、今のリフォーム業界において1on1は、単なる流行のマネジメント施策ではなく、管理職育成を通じて人材の定着と離職防止を進め、結果として経営の安定と業績向上を支える重要な土台として位置づける必要があります。

 

2. リフォーム会社の管理職に求められる役割と従来育成の限界とは

リフォーム業の管理職に求められる役割は非常に広く、部下への指示や進捗確認だけでなく、顧客満足の維持、工程管理、品質管理、原価意識の浸透、クレームの未然防止、そして部下の教育と育成までを含めた総合的なマネジメントが求められています。

つまり、管理職は単なる現場のまとめ役ではなく、経営方針を具体的な仕事へ変換し、部下が力を発揮できる環境を整え、組織として成果を出せる状態をつくる中核人材であると理解しなければなりません。

ところが、リフォーム業界では優秀な営業担当者や経験豊富な施工管理担当者が、そのまま管理職へ昇格するケースが多く見られ、個人として成果を出してきたことと、組織を育てて成果を出すことの違いが十分に整理されないまま役割転換が行われがちです。

その結果、自分ではできるが人には教えられない、部下の悩みよりも目先の数字を優先してしまう、問題が起きた時だけ強く叱責する一方で日常的な関係づくりができない、といった管理職行動が固定化しやすくなります。

従来の育成方法では、現場で経験を積めば自然に管理職として育つという発想が根強く残っていましたが、事業環境が複雑化し、人材価値が高まり、若手の働く価値観も変化している今、その考え方だけでは十分とは言えません。

とりわけ近年は、部下が上司に求めるものが単なる指示や統制ではなく、成長機会の提供、納得感のあるフィードバック、心理的に安心できる対話、将来像への支援へと広がっており、管理職には人を動かす力以上に、人を育てる力が求められるようになっています。

ここでいう心理的安全性とは、失敗や課題を伝えても一方的に否定されず、率直に意見や不安を話せる状態を指しますが、この状態がなければ部下は本音を出さず、結果として現場の問題も離職の兆候も見えにくくなります。

また、厚生労働省が示す人材開発や職場定着に関する考え方でも、上司の関わり方や職場内での支援体制が人材育成に大きく影響することが示されており、管理職の育成を個人任せにするのではなく、会社として底上げする必要性が明確になっています。

つまり、従来のように「管理職は現場で鍛えられるもの」「本人が努力すればよい」という捉え方では、今のリフォーム業に必要な管理職は育ちにくく、経営課題としての人材育成や定着の水準も高まりません。

したがって、これからのリフォーム会社の経営においては、管理職に何を期待するのかを明確にし、その役割に必要な対話力、育成力、判断力、関係構築力を意図的に伸ばしていく仕組みが必要であり、その中核に1on1を置くことが極めて有効です。

 

3. 1on1と一般的な面談・会議・評価面談の違いを正しく理解する

1on1を効果的に機能させるためには、まずそれを一般的な会議や業務打ち合わせ、あるいは人事評価面談と同じものとして扱わないことが重要であり、目的の違いを経営層と管理職の双方が正しく理解しておく必要があります。

会議は情報共有や意思決定を行う場であり、業務打ち合わせは進捗確認や課題対応を進める場であり、評価面談は一定期間の成果や行動を整理し、評価を伝える場ですが、1on1は部下の成長支援と状態把握を軸にした継続的な対話の場です。

この違いを曖昧にしたまま運用すると、1on1が結局は単なる業務報告の延長になり、上司が話す割合ばかりが増え、部下は「また注意される場だ」「査定に影響する場だ」と受け止め、本音を出さなくなってしまいます。

本来の1on1では、部下が今どのような仕事に負荷を感じているのか、何にやりがいを感じているのか、どこでつまずいているのか、将来どのような育成や役割を望んでいるのかといった、通常業務では見えにくい部分を丁寧に確認していきます。

その際に上司が果たすべき役割は、答えを先回りして与えることではなく、部下が自分で考え、整理し、行動の方向性を見いだせるように支援することであり、この姿勢が管理職としての育成力を高めることにもつながります。

たとえば、部下が案件対応に苦戦している場面で、上司が「こうしろ」とすぐに正解を示すだけでは、短期的には処理できても、本人の思考力や再現性のある学びは育ちにくく、同じ問題が形を変えて繰り返される可能性があります。

一方で1on1の場で、どこで判断に迷ったのか、顧客の要望をどう捉えたのか、次に同様の場面が来たら何を変えるべきかを一緒に整理できれば、単なる問題処理ではなく育成の機会に変わります。

また、評価面談との違いを明確にすることは、部下の安心感をつくるうえでも欠かせず、1on1で出た悩みや弱みが直ちに不利な評価に結びつくと感じさせてしまえば、対話の質は急速に低下してしまいます。

もちろん、1on1で把握した情報が人材配置や育成計画に活かされることは重要ですが、その場その場を査定の空気で支配しないことが、定着や離職防止の観点では極めて大切です。

したがって、リフォーム業の経営において1on1を導入する際には、「何のために行うのか」「会議や評価面談と何が違うのか」「上司はどのように関わるべきか」を事前に共通認識化し、対話の場としての質を守ることが成功の出発点になります。

 

4. 1on1を導入すると管理職育成と人材定着が同時に進む理由

1on1がリフォーム業界で有効なのは、管理職育成と人材定着という、通常は別施策として扱われやすい二つの課題を、現場の対話を通じて同時に前進させることができるからです。

まず管理職育成の観点で見ると、1on1を継続的に実施する管理職は、部下の話を引き出す傾聴力、状況を整理する質問力、努力や変化を適切に認める承認力、課題を一緒に言語化する支援力を繰り返し使うことになります。

これらの力は、管理職にとって不可欠でありながら、日々の忙しい現場対応だけでは意識的に鍛えにくい能力であり、1on1はその実践訓練の場として機能します。

一方で部下の側から見ると、自分の仕事の悩みや負荷、将来への不安、上司や組織への要望を定期的に話せる機会があることで、孤立感が減り、自分が放置されていないという感覚が生まれやすくなります。

この感覚は定着において非常に重要であり、離職は必ずしも賃金や労働条件だけで起こるものではなく、「見てもらえていない」「成長できない」「相談しても変わらない」といった蓄積から生まれることが多いからです。

特にリフォーム業では、営業現場、現場管理、顧客クレーム対応、職人連携など、精神的な負荷が高まりやすい仕事が多く、忙しさの陰で小さな不満や不安が見過ごされると、ある日突然の退職として表面化しやすい傾向があります。

1on1が定着している組織では、そうした兆候を早めに把握しやすくなるため、業務分担の見直し、教育内容の調整、管理職の関わり方の修正など、離職防止に向けた打ち手を早い段階で打ちやすくなります。

さらに、管理職が1on1を通じて部下の強みや適性を理解できるようになると、単に足りない点を指摘する管理から、強みを活かして成果につなげる育成へと発想が変わり、人材活用の質も高まっていきます。

その結果、部下にとっては成長実感が高まり、管理職にとっては育成の手応えが増し、経営にとっては人材の定着と業績の安定につながるという好循環が生まれやすくなります。

つまり、1on1は単なる面談制度ではなく、管理職を育てながら、部下の定着を高め、組織全体の教育力を底上げし、最終的にはリフォーム業の経営基盤を強くする実践施策として位置づけるべきものです。

 

5. リフォーム業界で起こりやすい現場課題を1on1でどう吸い上げるか

リフォーム業の現場では、表面上は案件が進んでいるように見えても、営業と施工管理の連携不足、顧客要望の認識ずれ、現場段取りの混乱、協力会社との関係負荷、若手の不安、ベテランの不満といった課題が、日々の仕事の中に細かく蓄積していくことが珍しくありません。

しかも、こうした課題の多くは、定例会議や日報のような公式な場では十分に共有されにくく、問題が深刻化してから初めて顕在化することが多いため、経営や管理職が現場の実態をつかみ切れないまま、離職や顧客満足低下、再工事の増加、業績悪化に至ることもあります。

特にリフォーム業は、現場ごとの条件が異なり、顧客の期待値も高く、施工中の変更や追加要望も起こりやすいため、部下は目の前の対応に追われながらも、何に困っているのかを自分でも整理できないまま仕事を抱え込みやすい構造があります。

このとき1on1が有効なのは、単に問題を報告させるためではなく、部下が感じている違和感、負荷、迷い、成長課題を言語化し、上司とともに整理する機会をつくれる点にあり、そこに管理職育成と離職防止の両面で大きな意味があります。

たとえば、「最近忙しいです」という一言の背後には、案件数の偏り、顧客対応のストレス、上司への相談しづらさ、施工知識への不安、役割期待の曖昧さなど、複数の要因が重なっていることがあり、1on1ではその背景まで掘り下げる必要があります。

ここで管理職が重要なのは、問題をすぐに裁くことではなく、何が起きているのか、本人はどの部分に最も負荷を感じているのか、どこまでが能力課題でどこからが構造課題なのかを丁寧に分けて捉える姿勢です。

厚生労働省は、企業と労働者が学びや能力開発の方向性について共通認識を持ち、継続的に支援することの重要性を示しており、これは単なる研修実施だけでなく、現場での対話を通じて課題を把握し、育成と支援を結びつける必要性を含んでいます。

また、国土交通省は建設分野において、人材の確保だけでなく、育成、処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体で進める重要性を示しており、リフォーム業でも現場課題の早期把握は、その一体改革の出発点になります。

したがって、1on1では「最近どうか」という抽象的な確認にとどまらず、仕事量、顧客対応、社内連携、技術面の不安、キャリアの見通し、上司支援の不足など、現場課題を構造的に拾い上げる観点を持つことが欠かせません。

そのようにして現場の声を吸い上げられる管理職が増えれば、リフォーム業の経営において最も見えにくい人材課題が見える化され、教育、配置、支援、離職防止の打ち手を現実的に講じやすくなります。

 

6. 1on1で育成すべき管理職の力とは何か―傾聴力・質問力・承認力の基本

1on1を通じて管理職が伸ばすべき力は多岐にわたりますが、その土台になるのは、部下の話を途中で遮らずに受け止める傾聴力、部下の考えを深める質問力、努力や変化を具体的に認める承認力の三つであり、これらはリフォーム業の現場マネジメントに直結する基礎能力です。

まず傾聴力とは、ただ黙って聞くことではなく、相手が何に困り、何に迷い、何を言いにくいと感じているかまで含めて受け止める力を指し、この力が弱い管理職のもとでは、部下は本音を出さず、見かけ上の順調さだけが残りやすくなります。

次に質問力とは、相手を追い詰める尋問ではなく、状況を整理し、自分で考え、行動の選択肢を見いだせるように支える問いかけの力であり、たとえば「なぜできないのか」ではなく「どこで判断が難しかったのか」と聞けるかどうかで、対話の質は大きく変わります。

さらに承認力とは、甘やかしや安易な賞賛ではなく、本人の努力、工夫、変化、成長の芽を具体的に捉えて返す力であり、これがあることで部下は「見てもらえている」という感覚を持ちやすくなり、定着や挑戦意欲の向上につながります。

リフォーム業の現場では、失敗やトラブルが注目されやすく、管理職の関わりも問題発生時に偏りがちですが、その状態では部下にとって上司は叱る人、詰める人として記憶されやすく、日常の信頼形成が進みにくくなります。

そのため、1on1では問題指摘だけでなく、顧客との調整で工夫した点、段取り改善への気づき、現場対応の前進、学習意欲の高まりといった前向きな変化を言葉にして返すことが、教育と育成の効果を高めるうえで極めて重要です。

厚生労働省の学び直し促進の考え方でも、企業が継続的に人材開発を支援し、労働者がやりがいや働きがいを持って能力を発揮できる環境を整える必要性が示されており、管理職の対話力はその実行主体の一つと位置づけられます。

また、部下の課題を「根性不足」や「経験不足」の一言で片づけないことも重要であり、知識不足なのか、役割不明確なのか、上司支援不足なのか、過剰負荷なのかを見極める視点こそ、管理職としての成熟度を左右します。

つまり、1on1は部下を育成する場であると同時に、管理職自身が人を育てる力を訓練する場でもあり、この循環が回り始めると、会社全体の教育水準が底上げされ、属人的なマネジメントから脱しやすくなります。

したがって、リフォーム業の経営として1on1を導入する際には、面談の回数だけを管理するのではなく、管理職が傾聴力、質問力、承認力をどの程度実践できているかに着目し、そこを育成テーマとして明確に扱うべきです。

 

7. 部下が本音を話しやすくなる1on1の進め方と信頼関係の作り方

1on1を形だけ実施しても、部下が本音を話さなければ、離職防止にも育成にもつながらないため、重要なのは実施の有無ではなく、部下が安心して話せる場として成立しているかどうかを見極めることです。

本音が出る1on1にはいくつかの条件がありますが、特に大切なのは、上司が結論を急ぎすぎないこと、話の途中で評価や否定を差し挟まないこと、問題の背景を一緒に整理する姿勢を持つことの三点です。

リフォーム業の部下は、顧客対応、工事品質、工程遅れ、社内調整、売上責任など複数の重圧の中で仕事をしているため、「何がつらいのか」を自分でも明確に言語化できていないことが多く、上司が急いで解決策を押しつけると、かえって対話が浅くなります。

したがって、1on1の冒頭では、最近の仕事状況だけでなく、負荷感、やりがい、迷い、期待、成長実感の有無などを丁寧に確認し、業務報告では出てこない感情面や認識面まで扱うことが重要です。

また、信頼関係は一度の面談で築かれるものではなく、話した内容がその後の仕事の支援や改善につながることで初めて積み上がるため、1on1で聞くだけ聞いて何も変わらない状態は、むしろ逆効果になりやすいです。

たとえば、部下が顧客要望の変更多発に悩んでいると話したなら、上司は次回の1on1でその後の状況を確認し、必要に応じて社内フローや役割分担を見直すなど、対話と実務改善をつなぐ必要があります。

厚生労働省の人材開発の方向性では、企業と労働者の協働が重視されており、本人任せでも会社任せでもなく、対話を通じて学びや成長の方向性を擦り合わせることが求められていますが、これは1on1の本質とも重なります。

さらに、管理職が自分の経験談ばかりを語らないことも重要であり、経験共有自体は有益でも、それが長く続けば部下は聞き役に回り、自分の整理や内省の時間を持てなくなってしまいます。

本音を引き出す1on1では、上司が話す割合よりも、部下が安心して考えを言葉にできる割合の方が重要であり、その意味で管理職には「話す力」よりも「引き出す力」が求められます。

その積み重ねによって、部下は上司を監督者ではなく支援者として認識しやすくなり、結果として人材の定着、管理職との信頼形成、仕事への前向きな関与が進み、リフォーム業の経営にとって大きな資産になります。

 

8. リフォーム会社の管理職が1on1で陥りやすい失敗と改善ポイント

1on1を導入した企業でよく起こるのは、制度は整えたものの、管理職の運用が従来の指示型マネジメントの延長にとどまり、結果として部下が「また上司に詰められる場が増えただけだ」と受け止めてしまう失敗です。

この失敗は、1on1を業務確認の短縮版として扱ってしまうことから起こりやすく、案件進捗、売上数字、注意事項ばかりが話題になれば、部下の成長支援や状態把握という本来の目的は薄れてしまいます。

また、管理職が善意であっても、「自分が若い頃はこうだった」「もっと厳しく鍛えられた」といった過去基準で語りすぎると、今の部下が置かれている役割、環境、価値観の違いを捉えられず、対話が一方通行になりやすくなります。

さらに、部下の課題を聞いたときに、すぐに正解を与えたり、逆に精神論へ寄せたりすると、本人の思考が深まらず、表面的には会話が成立しても、実質的な育成にはつながりにくくなります。

加えて、面談頻度が不安定であることも大きな問題であり、忙しい時期だけ中断される運用では、部下は「優先度の低い施策だ」と受け止め、1on1そのものへの信頼が下がりやすくなります。

改善の第一歩は、1on1を会議でも査定でも説教でもないと明確に位置づけることであり、管理職研修や社内ガイドラインで、何を話す場で何を話さない場かを具体的に示すことが有効です。

厚生労働省は、企業が人材開発を継続的に支援する体制づくりの必要性を示しており、これは個々の管理職の善意や器用さに依存させるのではなく、会社として一定の運用品質を担保する必要があることを意味します。

また、失敗を減らすためには、管理職に「良い1on1をしろ」と抽象的に求めるのではなく、傾聴、質問、要約、承認、次回確認といった具体的な行動レベルで評価し、フィードバックすることが大切です。

つまり、1on1の失敗は制度の否定材料ではなく、管理職育成がまだ仕組み化されていないことを示すサインであり、そこに手を打てば、教育の質も組織の定着力も着実に改善していきます。

したがって、リフォーム会社が1on1を導入する際には、実施開始そのものをゴールにせず、管理職が陥りやすい失敗を前提に設計し、改善支援まで含めて運用することが成功の条件になります。

後半は「その2」のコラムの方で解説いたします。

 

9. 参考資料

厚生労働省|職場における学び・学び直し促進ガイドライン 
厚生労働省|職場における学び・学び直し促進ガイドライン別冊
厚生労働省|若者が定着する職場づくり取組事例集
国土交通省|建設業の人材確保・育成に向けた取組を進めていきます
国土交通省|建設業における担い手確保に向けた取組について

 

10. 人材採用・募集活性化・1on1・管理職育成などに関する無料相談とお問い合わせ

船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングでは、人材採用・募集活性化・1on1・管理職育成などに関する無料相談やお問い合わせを受付しております。この機会にぜひ下記詳細をご確認の上、お申し込みください。

 

<詳細・お申し込みはこちらから>

 https://www.hc.funaisoken.co.jp/pages/consultation

 

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 https://www.hr-force.co.jp/1on1-consulting

 

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