【2026年最新】外国人材・海外人材ビジネス経営の振り返りと今後の動向・展望

2026.01.29

1. 登録支援機関の現状分析:特定技能受け入れ数の増加と経営課題

1-1. 特定技能制度の拡大と市場の成長 

特定技能制度の導入以降、外国人材の受け入れ数は一貫して増加傾向にあります。2025年6月時点では、特定技能外国人の受け入れ数は333,123名に達する見込みであり、登録支援機関の数も10,104機関と右肩上がりに増加しています。この市場の拡大は、人材ビジネス業界における重要な成長機会を示しています。

1-2. 登録支援機関の経営実態と課題 

一方で、登録支援機関の総数は増加しているものの、1機関あたりの支援人数は2025年6月時点でわずか34名にとどまっています。これは、特定技能外国人の受け入れが増加する中で、成功している機関とそうではない機関との間で大きな「乖離」が生じていることを示唆しています。

この状況は、登録支援機関の経営において、以下の重要な課題を提起しています。

①受け入れ数が増加しているにもかかわらず、多くの機関が規模の経済性を享受できていない現状。

②支援サービスの品質を維持しながら、採算性の高い事業モデルを確立する必要性。

2. 【業種別】特定技能外国人の動向:製造業・建設業の次は「介護」「外食業」に注目

2-1. 特定技能分野別の受け入れ割合 

特定技能外国人の分野別受け入れ割合を見ると、飲食料品製造業を含めた製造業と建設業で全体の過半数(53.65%)を占めています。これは、技能実習生からの在留資格切り替えが主な要因と考えられます。 

飲食料品製造業:25.24% 
介護:16.49%
工業製品製造業:15.33%
建設:13.09%
外食業:10.74%
農業:10.49%

2-2. 今後狙い目となるサービス業分野 

製造業や建設業が依然として高い割合を占める一方で、深刻な人手不足に直面しているサービス業、特に「介護」や「外食業」における外国人受け入れの割合も伸びており、今後の事業拡大の「狙い目」となっています。

これらの分野は、特定技能外国人の需要が高く、将来的な市場成長が期待できる領域です。

3. 送り出し国別増加率比較:ベトナムの鈍化とインドネシア・ネパール・ミャンマーの台頭

3-1. 国別割合の現状:ベトナムが依然として最多

国別の受け入れ割合を見ると、ベトナムが43.91%と最も多く、2位のインドネシア(20.83%)と比較して2倍以上の割合を占めています。依然としてベトナムは特定技能外国人の主要な供給国であると言えます。

3-2. 注目すべき増加率と国選定の重要性 

しかし、2025年の昨年比増加率に注目すると、ベトナムは主要7カ国中最下位の115%となっており、増加の勢いが「滞っている」状況が見られます。 一方で、以下の新興国では増加率が顕著であり、今後の人材供給源として重要性が増しています。 


ネパール:173%
ミャンマー:169%
インドネシア:156%

このため、登録支援機関は、ターゲットとする業種だけでなく、「現地給与やGDP」などの要因を考慮し、安定した送り出し国を「正しく選定する」ことが成功の鍵となります。

4. 2026年予測:競争激化を乗り越える「支援型」から「育成型」へのビジネスモデル転換

4-1. 2026年の市場予測:競争激化と差別化の困難

2026年の登録支援機関市場は、登録数が1万件を超え「飽和状態」に近づくことで、「競争激化」が進行すると予測されています。単に義務的な支援代行(生活サポートや面談実施など)を行うだけでは、「差別化が困難」になる見込みです。 

4-2. 求められる「育成型」モデルへの転換 

特に、特定技能2号制度の拡張や訪問介護の解禁により、受け入れ数の多い分野では「より高い日本語力」や「専門知識」を持つ外国人が求められる流れにあります。 この環境に対応するため、登録支援機関には従来の「支援(サポート業務)」を中心としたモデルから、以下の要素を組み込んだ「育成(価値創造)」モデルへの転換が不可欠です。

「日本語教育」の導入や、特定技能2号試験対策」など専門知識の教育・育成、外国人が日本で「長く活躍できる力」を育てる支援。軸足を「働ける人を支える」から「成長できる人を育てる」へ移すことで、外国人の定着率を高め、支援契約の長期化や紹介・再委託の拡大につながります。

5. 高生産性・高利益率の実現:適正な支援費用設定と人員配置の効率化

5-1. 支援費用の低価格化がもたらすリスク

競争の激化に伴い、登録支援機関の間で支援費用の「過度な低価格設定」が横行しています。受け入れ企業側には一時的なコスト削減のメリットがある一方で、これは登録支援機関の利益を圧迫し、結果として以下の重大なリスクを招く可能性が高いです。

①サービス品質の低下

②担当者の離職

5-2. 利益を確保するための経営設計 

持続可能な経営を実現するためには、「適正な支援費用設定」と「人員配置の効率化」を両輪で設計することが不可欠です。これにより、1人あたりの生産性と機関全体の利益率を高める必要があります。

例えば、営業1名、支援担当1名が50名を支援するモデルにおいて、支援費用が15,000円の場合、売上75万円に対し経費(人件費70万円、交通費10万円)が80万円となり、利益は-5万円と赤字になります。 しかし、支援費用を25,000円に設定し、支援人数50名(売上125万円)で人員配置を維持すれば、利益は45万円となります。

さらに、支援人数を80名に増やし(売上200万円)、人員配置を最適化できれば、利益は120万円と大幅に向上します。 この試算が示す通り、収益性の高い経営設計には、適正価格での受注と、1人あたりの支援可能人数を最大化する人員配置が重要となります。

6. 2027年追加予定の特定技能分野:リネンサプライ・物流倉庫・資源循環への先行アプローチ

6-1. 更なる分野拡大の動向

特定技能制度は、2024年に自動車運送、林業、木材産業、鉄道などが追加されたのに続き、今後も受入れ分野の拡大が予定されています。 2027年には、特に以下の分野が新たに追加される予定です。 


リネンサプライ:ホテルや病院リネンなどの回収・洗濯仕上げ・納品業務。
物流倉庫:物品の搬入・搬出、仕分け、在庫管理、物流機器の操作・点検など。
資源循環:廃棄物処理施設における廃棄物の処分業務。

6-2. 既存分野における業務区分の拡大 

既存の工業製品製造業においても、受入れが難しかった自動車関連や家具製造などの業務区分が拡大される予定です。また、航空分野でも、旅客ハンドリング業務、機内食等の運搬・搭降載業務、航空燃料取扱業務などが新たに追加されます。 

6-3. ブルーオーシャン市場へのアプローチ 

これらの新規追加分野は、まだ競合が存在しない「ブルーオーシャン市場」となる可能性が高く、事業拡大に向けた「新規追加分野へのアプローチも重要」となります。先行してこれらの分野の受け入れ体制を構築することは、競争上の優位性を確立する機会となります。

7. ターゲット業種選定の具体策:有効求人倍率1.5倍以上(介護、外食、自動車運送など)の狙い目


7-1. 有効求人倍率を基準とした業種選定

適切なターゲット業種を選定する際の客観的な基準の一つとして、「有効求人倍率」があります。有効求人倍率とは、ハローワークに登録された求職者1人に対し、何件の求人があるかを示す数値であり、人手不足の深刻度を測ることができます。

事業を成功させるためには、有効求人倍率が「1.5倍以上の業種」をターゲットとすることが推奨されます。 

7-2. 特に狙い目の職種と倍率 

2025年8月時点のデータに基づくと、以下の職種が高い求人倍率を示しており、「特に狙い目」となります。 


建設・採掘従事者:5.1倍
介護サービス職業従事者:3.94倍
飲食物調理従事者/接客・給仕職業従事者:2.59倍
生産工程従事者(製造業関連):2.42倍
自動車運転従事者(新規追加された自動車運送関連):2.37倍
(※建設分野は現場作業への有料職業紹介が特定技能の対象外であるため、次点として介護・外食/宿泊、製造業、自動車運送が特に有望です。)

7-3. 業種と国の組み合わせ戦略 

ターゲット業種を選定した後は、「業種×現地特定技能試験実施国」の選定が重要になります。安定的に人材供給ができるか否かは、現地での特定技能試験の実施状況が一つの基準となります。

 例えば、増加率が顕著なインドネシア、ミャンマー、ネパールは、介護、外食、製造、自動車運送の分野で現地試験が実施されており、カンボジアも製造を除く分野で実施されているため、いずれの国もターゲットとして有望であると言えます。

8. 長期定着の鍵:「特定技能2号」への移行戦略と日本語・専門教育の必要性

8-1. 特定技能2号への移行の重要性 

特定技能1号の在留期間は上限5年ですが、受け入れ企業が外国人材を長期的に雇用し続けるためには、「特定技能2号」への移行が不可欠です。 特定技能2号へ移行すると、在留期間の上限がなくなり(無期限)、「家族帯同」も可能となります。これは、外国人材の生活の安定と、企業における長期的なキャリア形成を可能にする上で極めて重要です。 

8-2. 移行に必要な教育・試験対策 

特定技能2号への移行には、特定技能2号評価試験の合格と一定期間以上の実務経験が必要となります。また、介護分野においては、特定技能2号への移行ではなく、在留資格「介護」に切り替えるために「介護福祉士」の合格が必要となります。

このため、登録支援機関には以下の教育・試験対策の提供が、提携先企業にとって重要な選定基準となります。
「日本語教育」
「特定技能2号評価試験対策」
「介護福祉士試験対策」

8-3. 学習アプリを活用した教育プラン 

教育・育成を推進する上で、仕事の合間や通勤時間、睡眠前など「どこでも学習ができる」学習アプリの活用が有効です。 具体的な教育プランとしては、特定技能2号や介護福祉士の合格目標として、まずは「N3(日本語能力試験)」取得を目下の目標とし、これを「6ヶ月を基準」としたカリキュラムで作成することが推奨されます。

スマートフォンアプリでの学習機会の提供。 管理画面を活用した受講状況の確認と個別リマインド。 定例ミーティングでの進捗確認を通じた競争意識と達成感の醸成。 アプリ選定時には、対応範囲(JLPT・業種・言語)、カリキュラム数、導入数、合格実績、価格帯から総合的に判断することが重要です。

9. AI/ChatGPT活用で業務効率化:求人作成・翻訳工数を5分/件に削減する実践手法

9-1. AI活用による生産性向上 

競争激化の時代において、支援品質を落とさずに担当者の「生産性を最大化」するためには、AI活用による業務効率化が極めて重要です。 AIを活用した効率化を図ることで、従来1人で50名程度が限界だった支援担当者の対応可能人数を「1.5倍以上」に拡大できる可能性があります。

9-2. 業務効率化の具体的な取り組み 

AI活用に着手する前に、まずは事業実績や営業状況を「見える化」し、課題分析ができる体制を整えることが最優先です。特に「営業開拓」はボトルネックになりやすいため、CRM(顧客関係管理)を活用し、営業プロセスごとの対応状況を視覚的に把握することで、追いかけ漏れによる機会損失を防ぐことが重要です。

さらに、以下の領域でAIやMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用できます。

①メルマガやチャットボットなどのMAツール導入 

②ChatGPTの活用による業務効率化。 

9-3. ChatGPTを活用した求人作成・集客の効率化 

国内在住外国人の集客プロセスにおいて、求人作成およびSNS(Facebookなど)への投稿は重要な業務です。 ChatGPTを活用することで、求人内容の概要を入力するだけで、以下の作業をわずか「5分/件」で実施することが可能となり、1件当たりの工数を従来の30分から25分削減できます。

Facebook投稿用の原稿作成。 外国語への翻訳(インドネシア語など)。 投稿先選定、画像作成、投稿。 このAI導入は、「人の経験に依存する業務」から「データとAIに支えられた持続可能な支援」への移行を可能にし、利益率と信頼性の両立を実現する重要な経営課題となります。

10. 【成功事例】異業種参入から初年度200名獲得:集中特化戦略の成功法則

10-1. 異業種からの参入事例:ギホク株式会社様

測量業から特定技能事業に新規参入したギホク株式会社様は、立ち上げ初年度で「200名」の成約獲得を達成しています。この成功は、事業立ち上げから1年という短期間で実現されています。 同社の成功要因は、ターゲットを絞り込んだ「集中特化型戦略」にあります。

10-2. 集中特化型戦略の成功要因

ギホク株式会社様が実践した成功要因と、失敗ケース(ターゲットが曖昧で営業開拓が難航するケース)を比較することで、成功法則が明確になります。

◆成功事例:ギホク株式会社様(集中特化型戦略)

◆事業特化:岐阜県×製造業×ベトナムに完全特化

◆失敗するケース:エリア×多業種×多国籍でターゲットが曖昧

◆営業開拓外注化:在宅ワーカー活用で月間15件以上のアポイントを獲得

⇒自社架電では、KPI設定の曖昧さや改善不足によりアポイントが取れない

◆無料人材募集:

①SNSと現地学校との提携のみで無料かつ月間50名応募獲得 

②有料媒体に広告費をかけて応募獲得 

◆求職者選定・ポイント:

①3回の面談実施で選定を徹底し、面接通過率は80%以上 

②簡単なスキル&日本語チェックのみで、面接通過率は50%程度

③クロスセル、派遣事業も展開し、ニーズに合わせた提案が可能

④人材紹介のみでは派遣需要に対応できない 

10-3. 成功法則の要点 

成功の鍵は、市場を細分化し、自社が支援しやすい「国籍と産業構造」を分析した上で、「岐阜県×製造業×ベトナム」のようにターゲットを完全に特化させたことにあります。

また、在宅ワーカーを活用した営業開拓の外注化や、SNS・現地学校との提携による無料での人材募集、そして3回面談による厳格な求職者選定が、高効率かつ高成約率の事業モデルを確立しました。

さらに、人材紹介と派遣事業の「クロスセル」戦略により、顧客ニーズへの対応力と収益機会を最大化しています。

11.まとめ・結び

特定技能制度の市場は拡大していますが、競争激化とサービスの低価格化が進む2026年以降、従来の「支援代行モデル」では生き残りが困難になります。

今後は、市場の成長機会を捉えるために、「介護」「外食」「自動車運送」といった高求人倍率の業種と、「インドネシア」「ネパール」「ミャンマー」などの新興送り出し国にターゲットを絞り、事業の軸足を「育成型ビジネスモデル」へ転換することが不可欠です。

教育・試験対策による長期定着支援と、AI/CRMを活用した高生産性の実現、そして成功事例に学ぶ集中特化戦略こそが、外国人材ビジネスで持続的な成長と高利益率を達成するための鍵となります。

12.参考資料

株式会社船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング「海外人材ビジネス時流予測レポート2026」

出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」・「特定技能在留外国人数の公表」・「特定技能に関する試験情報」

出入国在留管理庁・厚生労働省「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)」 

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」

※ChatGPTはOpenAIの登録商標です。

13.船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングがお手伝いできること

貴社の事業拡大を支援するため、船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングでは以下のコンサルティングサービスを提供しています。

13-1. 個別コンサルティング: 登録支援機関&人材紹介新規参入プロジェクト+実行支援 

外部環境調査と戦略策定(フェーズ1):ターゲット選定(業界・職種・エリア)、求職者マーケット分析、競合分析を実施し、最適な営業・求職者獲得戦略および差別化コンセプトを設計します。

各種ツールの納品(フェーズ2):法人営業支援ツール(トークスクリプト、提案資料、契約書テンプレート)や、人材募集運用ツール(求人原稿、広告運用マニュアル)、求職者マッチングツールなど、実践ツールを提供します。

実行支援(月次支援):策定した戦略を実行するための実務的支援を月1回行い、営業ロープレや求職者対応の研修、KPIマネジメントを通じて事業立ち上げをサポートします。 
無料個別相談の詳細・申込はこちら

13-2. 集合型定期勉強会: 人材ビジネス経営研究会 

全国トップクラスのゲスト講師や専門コンサルタントによる成功ノウハウの共有。 実践企業同士のリアルな情報交換会への参加。 会員限定データベースを通じた過去の講演動画や資料の入手。 新規参入から事業拡大まで、一気通貫でサポートいたします。

 
分科会の詳細・無料お試し参加の申込はこちら

14.【船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング制作】「海外人材ビジネス業界時流予測レポート2026」

船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング制作の「海外人材ビジネス業界時流予測レポート2026」を無料でダウンロードいただけます。この機会にぜひご覧くださいませ。


詳細・無料ダウンロードはこちら